天敵から逃れるために刺激を与えるとピクリとも動かなくなる「死んだふり行動」をする虫の一つ、コクヌストモドキは、生息している緯度が高くなるほど行動が頻繁になり、持続時間も長くなることがわかった。岡山大学学術研究院環境生命科学学域の松村健太郎研究助教らが明らかにした。死んだふり行動は昆虫学者のファーブルや進化論で知られるダーウィンも興味を持った行動だが、その頻度や時間が南北にかけて変化していく「緯度クライン」を示したのは世界で初めてという。 コクヌストモドキは世界中に分布する米や小麦粉など穀物を食べる体長4ミリほどの害虫。ハエトリグモやサシガメといった天敵に出会うと死んだふりをして、相手の興味がそれたすきに逃げる行動が知られている。松村研究助教らは、2016年~2021年に北は青森県五所川原市から南は沖縄県西表島まで全国38地点のコイン精米機を巡り、コクヌストモドキを集めた。その後、同じ環境で
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