触れたら消えてしまいそうなのに、確かな存在感。青木良太の器には妖しい美しさがある。「陶芸で日本代表になる」という思いのもと、アトリエの壁に日の丸を貼り、年2万5000種もの釉薬を試す。ターバンを巻き、ギャルソンを着て作品を作り続ける31歳の自称「陶芸オタク」は、どのような思いで陶芸と向かい合ってきたのか。その心境を聞いた。 「自分は何をしようかな」と考えたとき、好きなことを職業にしたいと思ったんですね。 ―いま岐阜県土岐市で活動をされているんですよね。土岐市といえば、茶人の古田織部が「織部焼」を始めた地としても名高いですけど、アトリエはどんな感じなんですか? 青木:山の奥にあって、秘密基地みたいなんですよ。で、いつも仕事しながら日本語ラップをかけているんです。「ボン! ボン! ボン!!」って爆音で。 ときどき地元の小学生とかがそこを通るんですけど、この前コンビニに行こうと道を曲がった瞬間、