三重県伊賀市の窯元・長谷園(長谷製陶)は、伊賀焼の土鍋「かまどさん」のヒットで知られています。8代目社長の長谷康弘さん(52)は、百貨店から転身し、倒産寸前の家業を家族一丸でV字回復させました。時代の変化に対応するための試行錯誤には、コロナ時代を生き抜くヒントがありました。 中学から実家を離れて修業 5世紀前後の発祥とされる伊賀焼の郷・伊賀市には、今も約50軒の窯元があります。長谷園は1832(天保3)年創業。長谷さんは4人きょうだいの長男として生まれ、物心ついたときには「後継ぎ」と自覚していました。 「長谷の坊ちゃんとして甘やかされて育ったら、ろくな大人にならん」。そんな両親の教育方針で、中学校から実家を離れ、高校からは東京に出されました。 「トイレ共同、風呂なし4畳半のアパートでの一人暮らしでした。いろいろ大変でしたが、両親に恩返しして家業の役に立ちたいという思いは常にありました」 創
![倒産寸前の伊賀焼窯元を救った土鍋 8代目が家族一丸で重ねた変化](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/fca150e370cf3a834cd912049333679317c69c69/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fp.potaufeu.asahi.com%2F7b12-p%2Fpicture%2F26394099%2F1a77ac39842856d7d9636ea7b3b67000.jpg)