「うまくアイデアが機能している」。楽天グループが2021年8月5日朝にオンライン開催した事業説明会。三木谷浩史会長兼社長がこう語ったのは、自社で開発した「完全仮想化」と呼ぶ通信技術の輸出戦略についてだ。 同社は前日の8月4日夜、ドイツで4番目の携帯電話会社として名乗りを挙げている通信会社の1&1と、モバイルネットワークの整備で長期的に提携すると発表した。1&1が整備する5G(第5世代移動通信システム)などのネットワーク設計から保守まで包括支援するという。 この提携のポイントは、楽天グループが世界に掲げる「RCP(Rakuten Communications Platform)」を1&1が包括的に採用する点だ。RCPとは、楽天が日本の携帯電話サービス向けに導入した携帯電話ネットワークの仮想化技術や機能を、海外の通信事業者に外販していく枠組みのこと。汎用サーバー上に実装可能な基地局やコアネット