K・ギルバート氏の本で心地よくなってはならない 「日本は素晴らしい」と快感を覚えるより、そこに「他山の石」を見るべきなのだ 福嶋聡 MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店 中国・韓国の非道の原因とは? ケント・ギルバートの『儒教に支配された中国人と朝鮮人の悲劇』(講談社+α新書)が、売れている。今年(2017年)2月に刊行され、私が持っている6月1日付で16刷、帯には「30万部突破」とある(その後、40万部を突破したという)。 この本は、「嫌韓嫌中本」である。「悲劇」と銘打っているが、決して中国人や韓国人を慮って書かれたものではなく、現在の中国、韓国がいかに非道の国で、それによって日本や世界が大変な迷惑を蒙っているということを訴える本だからだ。 この本の「新しい」点を敢えて挙げれば、両国の非道の原因を、儒教の支配に特定していることである。中国は、マルクスの共同体(アソシエーション)の理念から