戦争をしてはいけない 戦争について考えなければならない。 できることなら考えたくない問題かもしれない。だが、連日のように北朝鮮のミサイル脅威や中国の海洋進出が報じられ、これにたいし集団的自衛権や「共謀罪」の適用、憲法改正への準備が着々と進行するなかで、その行き着く先の最悪の事態、すなわち戦争の悪夢が頭をよぎるのは、いたしかたないことだ。 『戦争の大問題——それでも戦争を選ぶのか。』(丹羽宇一郎 著 東洋経済新報社) 本書は不安や恐怖、怒りといった感情をひとまずおいて、戦争という大問題を冷静に考えようとするものだ。最初に「戦争を知らずに戦争して他国を懲らしめよという意見はまったく尊重に値しない」と著者は宣言する。 著者は名うての国際ビジネスマンとして伊藤忠商事を率い、2010年から12年まで中国大使を務めた人物である。その丹羽氏が日本の平和と防衛に、いま大きな危惧をいだいている。 冒頭にこん
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