映画監督の宮崎駿さん(75)が28日、東京都港区で開かれた「ハンセン病の歴史を語る人類遺産世界会議」で講演し、代表作の一つ「もののけ姫」(1997年公開)の一場面でハンセン病患者を描いた経緯について語った。 題目は「全生園で出会ったこと」。宮崎さんは「もののけ姫」の制作中、自宅から歩いて15分ほどの国立ハンセン病療養所多磨全生園(東村山市)を訪れた。園内の資料館で、患者の脱走防止策として療養所内で使われていたブリキやプラスチック製の「通貨」などの展示を見て衝撃を受けた。「おろそかに生きてはいけない。作品を真っ正面からやらなければならない」と思ったという。 「もののけ姫」にハンセン病患者を思わせる包帯姿の人々を登場させたのは「業病(ごうびょう)と言われながら生きた人たちを描かなければ」との思いに駆られたからだったというが、一方で「(当事者が)どう受け取るのかが恐ろしかった。映画を見た入所者た