「『空気』が支配する国」だった日本の病状がさらに進み、いまや誰もが「気配」を率先して察することで自縛・自爆する時代に? 「事のまずさを感知しない『空気』」を悪用して突き進む政治家たちと、そのメッセージを先取りした「気配」に身をゆだねることに違和感を覚えなくなってしまった私たち。「日本の心情」を“なんとなく”稼働させてしまう「気配」の危うさをめぐる、『紋切型社会』の著者・武田砂鉄さんによるフィールドワーク、その第3回。 公共の場でなされるヘイト言動には「NO」を言えても、プライベートに近い場ではつい気配を読んでしまいがちな私たち。しかしそこにこそヘイトの萌芽があるのだとしたら……。 なぜ私は職務質問されるのか 妻と自転車を共有しているので自分が使用するときには駐輪場でサドルを上げる。こちらが自転車を使うのは深夜にレンタルビデオを返却しに行く時くらいのものだから、夜更けに錆びたサドルを鈍い音を
![第3回 「ヘイト」の萌芽 – 晶文社スクラップブック](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/66a52a5a0f00f2b35d132bb3fe2971ce0b9f9d42/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fs-scrap.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2015%2F09%2FLOGO-C06.png)