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2016年8月20日のブックマーク (1件)

  • 第1回《気仙沼》「仙人」館長の図書館は遥か海へひらく

    山に囲まれた街は、海の彼方とつながっている 気仙沼へ赴く日の朝は早い。おれの住んでいる鎌倉からは、新幹線を使っても5時間。午後の会議に出席するには、始発で鎌倉駅を発たねばならない。まずは岩手県の一ノ関駅まで出て、そこから大船渡線で沿岸部へ向かう。龍のようにうねるその線形から、大船渡線は「ドラゴンレール」とも呼ばれている。車両はいわゆる「電車」ではなく、ハイブリッド車だ。大きく迂回するのは地形のためではなく、有力者による我田引鉄のためである。 宮城県の北東の端。盲腸のように岩手県の中へ飛び出している。なるほど、戊辰戦争の前は、今は岩手県南部の大船渡市、陸前高田市を含む気仙郡も、伊達藩の一部であったが、吉郡であった気仙沼は、たまたま宮城県に線引きされたのだ。 平安時代に編纂された歴史書『日三代実録』では「計仙麻(ケセマ)」と記されており、その由来には諸説ある。アイヌ語の「ケセモイ(kese

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