1990年に産経新聞に入社し、はや26年以上の歳月が経った。そのうち18年余を政治部記者として過ごしてきたわけだが、その間ずっと、安倍という政治家を見続けてきたことになる。 自分が関心を持ち、担当した相手が、ある時からあっという間に出世の階段を駆け上り、頂点に着いたと思ったら急転直下、奈落の底に突き落とされる。そして再起は難しいと誰もが思う中で力を蓄え、仲間を集めて自力ではい上がり、また天辺に立って多くの仕事を成し遂げる。 その多くの場面を比較的間近から眺め、直接本人に取材してこられたのだから、政治記者冥利に尽きる幸運なのだと思う。 マスメディアからこれほど感情的に攻撃される理由とは 今でこそ自民党は「安倍一強」「官高党低」と指摘され、安倍の「意向」は「威光」となって党を従えているように言われるが、もともと安倍は主流派でも何でもなく、むしろ党内にあっては異端だった。 おそらく安倍は最高権力