公立小中高校の教員が、副校長・教頭の職を敬遠する傾向が強まっている。自ら希望して一般教員への降任を求める副校長・教頭のほか、昇格を望まない教員も目立つ。背景には、その激務ぶりがある。 東京都内の50代半ばの小学校副校長に、ある1日を記録してもらった。 午前7時にどの教員よりも早く学校に着くと、校内の見回り、会議、市教委への報告など分刻みで仕事が入る。昼食は10分間。午後も連絡網の作成や電話応対などに追われ、午後8時半、最後に学校を出る。 「『何かあれば副校長』というのが実情。本来なら人材育成にもっと時間をかけたいが、ほかの仕事に追われて1日が終わってしまう」とこの副校長は語る。 学校教育法は小中高校に副校長・教頭を置くことを義務付けている。いずれも校長を助けて校務を担い、教頭は児童生徒の教育も行える規定になっているが、学校現場での両者の実務はほとんど変わらない。一部には副校長や教頭が2人い