家庭の経済的な豊かさによる進学機会の差を主要因と見る「経済決定説」、家庭の文化環境の影響を見る「文化的再生産論」等を統計の数値を挙げて退け、(親に比較しての)「学歴下降回避のメカニズム」と「学歴伏流パラレル・モデル」を唱える本。 SSM調査データを統計処理して調べると、従来唱えられていた 親の職業階層→子の職業階層 の相関よりも、親の学歴→子の学歴 の相関を中心にしたモデルの方が、日本社会をよく説明できるそうな。 学歴と格差・不平等―成熟する日本型学歴社会posted with amazlet at 09.08.03吉川 徹 東京大学出版会 売り上げランキング: 544,475 Amazon.co.jpで詳細を見る 私は、次の二点でこの経済決定説を、やや妥当性に欠けるものとみている。第一は、日本の学歴社会を長く牽引してきた、学歴についての社会意識のあり方に反する動きだということである(略)
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