「テストが楽しい」と思ったことはありますか? おそらく,そんな人はあまりいないでしょう。テストは「製品の品質が十分かどうかを確かめる行為」です。いわば,ユーザーに対する義務のようなものです。「責任を持ってきちんと行わなければならない」という感覚はあっても,「楽しい」という感覚はあまりないのではないでしょうか。ところが,世の中には「楽しいテスト」が存在します。ソフトウエア開発手法の一つであるテスト駆動開発(TDD)のテストです。 この7月に私は日経ソフトウエアから日経エレクトロニクスに異動になりました。日経エレクトロニクス本誌での最初の仕事は,2007年7月30日号でIEEE Software誌の英語論文を翻訳記事にまとめることでした。「TDDを使ってソフトウエアの性能を高める」という内容の論文です。 この仕事をもらったとき,私は奇妙な偶然を感じました。というのは,日経ソフトウエアでの最後の