開催中の東京国際ブックフェアの会場に、青空文庫の富田倫生さんにおいでいただき、一昨年、昨年にひきつづき、今年もお話いただきました。この日、7月7日はちょうど青空文庫10年目の誕生日にあたりました。収録しました映像を謹んでみなさまへお届けいたします。 富田倫生さんのお話は、東京国際ブックフェアで行われたさまざまな講演のなかで一番価値あるものの一つであったと私たちはおもいます。騒々しい会場だということは、お招きしている立場として大変もうしわけなく感じておりますが、お話を聴くたびに、静謐な会堂の椅子に座すようなものではなく、喧噪のなかに傾聴し、手繰りよせる「糸」におもえてなりませんでした。路上にたってこそ人はそこに真実をうかがい知るものです。未来は鳴り物入りでやってくるのではありません。かすかな足音をみずから感じとるもの、あなた自身の心のなかから引きだすものです。 価値あるものを路傍から