小野繁『人の体はどこまで再生できるか―失った肉体をとりもどす医療 (ブルーバックス (B-1253))』は失った肉体を再生する形成外科を一般向けに紹介する数少ない良書である*1。本書には著者自身によるイラストがふんだんに掲載されているのだが、ある箇所を再生するために、別の箇所から皮膚を移動させたりする様子が具体的に描写されているため、読んでいるだけで身体のあちこちが痛くなるという希有な効果を持つ本である。 さて、形成外科の応用として最近注目されているのが、男女間の性転換手術である。男性から女性への転換の場合はちょん切れば良い(ああ、痛い)ので、障害は少なそうに思えるが、その逆の場合は一体どうすればよいのだろうか。あまり触れられる事のないこの話題に対して、本書は明確な回答を示してくれる。 女性器の形成 やはり陰茎を作るよりは、陰核と膣を再生する方が技術的には容易である。それでも排尿機能は温存
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