第46回 豊田商事会長刺殺事件(2,000・12・25記) テレビニュ-スに仏さま(死体)の映像がいまのようにひんぱんに登場するようになったのはいつの頃からだろうか。正確に確かめてはいないが、約20年にわたったベトナム戦争(1954~1975)の後半頃からではないかと思う。大量虐殺のソンミ事件や後ろ手に縛られた男の人が銃殺されるシ-ンは極めて衝撃的だった。 日本ではそのころまで、事件事故の現場でカメラマンが死体を撮ることはまずなかった。たとえフイルムに映っていても編集段階でカットされていた。つまり死体はそれを報道することによほどの意味がない限り報道するべきではないという倫理観があった。それが大阪千日デパ-トビル火災(’72年5月13日 アルサロの客ら118人死亡)の時にはもう破られていた。ビルの屋上から飛び下りた女性の遺体がるいるいと横たわる現場。その映像がそのまま放映されたのを見て慄ぜん