隈研吾氏の足踏み、伊東豊雄氏の新境地──新国立競技場2案を比較 建築&住宅ジャーナリスト 細野透 2015年 12月16日 提案書タイトルは偶然に「杜のスタジアム」で一致 日本スポーツ振興センター(JSC)は12月14日、新国立競技場計画のA案とB案を公表しました。A案は隈研吾氏および大成建設を中心とするグループ、B案は伊東豊雄氏および竹中工務店・清水建設・大林組を中心とするグループが提出したと推測されています。 A案はいかにも隈研吾氏らしい作品でしたが、それと同時に同氏が足踏みしているようにも感じました。これに対してB案は、伊東豊雄氏らしい点と、らしくない点とが混在しているような作品でした。言葉を換えると、伊東豊雄氏は新境地に至ったのだと思います。 今回のコンペで極めて興味深かったのは、A案とB案の提案書のタイトルが偶然にも「杜のスタジアム」となっていたことです。つまり名前が同じだった