テロリスト、麻薬の売人、オリガルヒ(新興財閥)。その多くが世界で最も恐れられるブラックリストに載っている。米政府の「特別指定国民および資格停止者(SDN)」に指定されているのだ。このリストに載ると事実上、国際的には終わりだ。米国で営業する銀行に口座を作ることも、自身の資産にアクセスすることもできなくなる。リスト掲載者との取引は禁じられ、破るなら重い処罰を覚悟しなければならない。 スイス人、スイス居住者、スイスに拠点を持つ企業も、この米国のブラックリストに載っている。このSDNリストには対ロシア制裁の対象となる個人や企業も含まれる。2014年のロシアによるクリミア併合以来、制裁は時折行われてきた。実施するのは米財務省外国資産管理室(OFAC)だ。ウラジーミル・プーチン大統領がウクライナに大規模な攻撃を開始して以降、米国はSDNリストを大幅に拡大した。特に過去15カ月間に制裁対象者が多数追加さ