三井記念美術館の所蔵品は茶道具が過半を占めていますが、そのなかでもこじんまりとまとまりがあり、趣味性が強く独特の世界を持ったものとして茶箱と茶籠があります。2008年に「数寄の玉手箱―三井家の茶箱と茶籠―」と題して展覧会を開催していますが、このたび自粛を余儀なくされているコロナ禍の中で、玉手箱のような趣味と遊びの世界を堪能していただこうと、改めて展覧会を企画いたしました。 今回は、雪月花を友として四季折々に楽しまれた逸品の数々を、同じく所蔵品の茶道具や書画を取り合わせて展示いたします。 展覧会の趣旨 三井記念美術館の所蔵品は茶道具が過半を占めていますが、そのなかでもこぢんまりとまとまりがあり、趣味性が強く独特の世界を備えたものとして茶箱と茶籠があります。当館には約30点の茶箱と茶籠が伝わっていますが、いずれも三井家の歴代やその家族たちが好んだものです。特に惣領家の北三井家伝来のものが多く、