世界的なデザイナー、奥山清行氏の言葉は、とても示唆に富んでいました。 伝統の逆襲 安価な大量生産品は、けっして消費者に感動を与えない。したがって、今後の日本は価格競争に汲々としてはならない。日本が舵を取るべきなのは「価格競争」ではなく、「価値競争」なのである。(4ページ) ゲームのルールが変わっていることに気づいていても、実際の行動を変えることは難しかったりします。昨年、頻発した偽装問題の根本には、安価な大量生産に対する信仰を捨て切れない姿勢があったと思います。 デザインのようなクリエイティブな要素は、結局、個人の頭の中から出てくるもので、集団で議論してつくるものではない。日本では、組織や会社で動くことが当たり前とされているけれども、個人を重視するイタリアは、ひとりの人間に徹底して強い権限を与えている。そこでつくられた製品は、最初の考えが明確に反映したものになっていく。(81ページ) 日本