ポジショニングについて、さらにもう少し。 ケラーのポジショニング論には、ちょっと分かりにくい概念が出てくる。「相違点連想」と「類似点連想」だ。 相違点については、分かる。差別化である。類似点連想、というのは「他のブランドと共通した連想」ということである。ケラーの言葉だと「ゲームに参加するための"プレイ料金"」ということになる。 ポジショニングの優れた例として、ケラーは「ミラー・ライト」(ビール)の例を挙げている。だが、面白いことにトラウトも著作の冒頭で、まず「ミラー・ライト」のケースを挙げているのだ。 ただしケラーのような理屈抜きに「ポジショニングの基本条件をはっきり押さえた直球勝負のコピーである」と評している。こんなコピーだ。 「ミラーのライトビールには、あなたが求めているものがすべて入っている。でも、カロリーは控えめ」Everything you always wanted