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ブックマーク / www.naotoyamamoto.jp (28)

  • ROIと問い詰める文化。 - 広告って、なに?

    企業内のマーケティング担当者が、社内から厳しくROIを問われるようになって久しい。これは欧米でも同様らしく、MBAをとった学生は「チェックできる側」の財務系の仕事を希望して、マーケティング志望が減っているという。大学の先生に聞いた話である。 実際にマーケティング担当者から相談を受けることもある。この場合広告予算そのものに関わるので、代理店の人には話しにくい状況もあるわけで。 全般的な傾向として言うと、短期的販促については経験値も高まってきて、社内でも納得されるようになりつつある。一方ブランディングに関わるコミュニケーション費用は、それほどキッチリ説明できない。 この話を聞くと、人事採用のことを思い出す。人事は長期的な視点で採用するが、現場は即戦力を求める。しかし、即戦力は「今がピーク」の可能性もある。 「どうしてああいう採用なのか」と問われた経験は人事担当者は持っているだろう。しか

  • 3日で本を半分書いてみる。 - 広告って、なに?

    前々から考えていたを書くことにした。 ある出版社から新書部門から依頼があったのだけど、それは実は2007年だったのでしばらく空いた上に、当初の依頼と全然違うテーマでもいいですか?と聞いたら快くOKしてもらったので、書くことになった。 最初は6月いっぱいに書こうと思ったら、4月末に静養先に電話があった。 「7月に出したんですけど...そうなると5月いっぱいで原稿をいただけますか...」 実は「GWはどうせ家にいるので結構書けます」とかその前に言っていたこともあり、「やってみます」ということに。手帳を見ると、5月の30~31が土日であることがわかったので「とりあえず6/1目標で」という弱気な結論となって、1日に東京に戻った。 僕は単行を書く時に、まず一冊ノートを買う。まず章立てを作ると、ここに、いろんなアイデアとかキーワード、エピソードネタやチャートを作る。 ある程度見えてくる

  • なぜ、そんなことを...。 - 広告って、なに?

    電通が決算発表をした。赤字と言っても、評価損の問題もあり営業利益は確保されているのだから、それ自体はあまり問題だとは思わない。 驚いたのは、記者会見での発言だった。 ============================================= 中祥一常務執行役員は「しばらく厳しいが、今期の好材料の一つは総選挙。選挙が拮抗(きっこう)する状態になれば、広告にもたくさんお金を使ってもらえるのでは」と、総選挙関連の広告需要に期待感を示した。 ============================================= たしかに、そうではあるけれど。 政党の資金は、民間からの献金や寄付金だけではなく、総計数百億もの政党交付金がある。その一部がこうした選挙時の広告に回るという側面もある。当たり前のことを言うと、交付金の原資は、税金だ。 特にコメントはしないけ

    yukio2005
    yukio2005 2009/05/12
    経営不在の会社
  • 189 vs.205,147:127 - 広告って、なに?

    忙しかった。 多分、来週になるとそういうことはなくなるのだけど、電波の入りにくいところに行くつもりなので、ブログを更新する頻度は落ちるかもしれない。 マーケティングや広告関係の人も、あえて景気の話すらしない、という風情になっている気もする。 で、今年前半は、というか今年いっぱいは価格がらみの要素が最重要ポイントになって、そのうちの幾つかの潮流は定着するように思っている。 よく言われるのが「不況時の低価格志向ではなく、価値が見合わうものに流れが移る」というものだ。つまり、こういう論調は楽観論と共に語られる。 でも、それは嘘。 「単なる低価格」というのあ93年ごろの「価格破壊」の頃に体験していて、たしかにその時の輸入ビールの味や激安スーツの出来は「安かろう●●かろう」といったイメージもあったけど、近年の「低価格商品」は、大体のものが「価値に見合っている」のだ。 大手流通のPBなど

  • 新刊は「ネコ型社員の時代」です。 - 桃園雑科帳

    新刊を出した。と言ってもちょっと前なのだけど、改めてご案内。 「ネコ型社員の時代」というタイトルで、新潮社から出ている。概要と購入のリンクはこちらから。 タイトルからもわかるように、思いつきで書いたではある。編集者に「これは思いつきなんですけど」と持ちかけたら、「なんて、すべて思いつきですから」ということで、進めさせていただいた。 2005年に出した「話せぬ若手と聞けない上司」の中で、「新入社員は型だった」と書いた。それが、気になっていて、ずっと世の中を見ていたら、こういうになった。 ネコは日常に強い。つまり、何も起きなくても、その毎日を圧倒的に肯定している。 少なくても、そのように見える。 「メシ・クソ・寝る」の繰り返しで、飼主もそれに追われながら、お互い歳を重ねていく。単純でありながら、それが時間の流れだ。 日が低成長から、ゼロないしはマイナスの時代になり、人も

  • ソフトバンクの卑しさ~白戸家の笑顔の裏 - 広告って、なに?

    僕は、さまざまな業界のクライアントの仕事をしているので特定の企業をここで批判することはしない。たまにブランド戦略に疑問を唱えたり、業績を分析したりするくらいである。 ただ、このニュースについては自分の考えを明快にしておきたい。 それは、ソフトバンクのグループ3社が入社希望の大学生に対して「特別面接枠」を設けて、この枠に応募した学生には契約をとるための「営業活動」をさせ、その実績を評価に加味するというものである。 詳しい話は、こちらにもこちらにもある。 これが法令違反かどうか、厚労省も調査するというが、それが違反であろうがなかろうが、あまりにもひどい。 僕は、大学で「キャリア・ディベロップメント」を教えている。学生に対して特定の企業を勧めることもしなければ、その逆もない。だが、ソフトバンクのこの方法は強く批判するし、さすがに「問題がある」と言う事になるだろう。 理屈からしても、お

  • 立ち直れるのは誰?(その2) - 広告って、なに?

    「代替品」「割高感」「虚栄心」というのはどんなカテゴリーでも共通したキーワードになっている気もする。 代替品があって、割高感があっても「人が好きだから買っている」というカテゴリーやブランドは、ダメージが少なく立ち直りも比較的早いだろう。 はなから代替品が効かないような、圧倒的に差別化できている商品なら「少々割高」と思った顧客は去るだろうが、まだ持つに違いない。 気をつけることは、このような構造は昨秋からのドタバタ以前から日の消費市場では見られたことだ。 クルマのマーケットが典型だろう。 代替品は都市部においては顕著だ。地下鉄などはこの10年で相当増えて、都心への人口回帰も進んだ。 そうなると主戦場は郊外や地方になる。こういう市場では「一人一台」のようになっていくので、割高な商品は敬遠される。 そうなると、クルマは足であって、虚栄心を満たすためのものでなくなった。 かくし

    yukio2005
    yukio2005 2009/04/05
    結局、「十年間から変わらずやっています」という企業が強いように思う。それは規模の大小に関係ない
  • 立ち直れるのは誰? - 広告って、なに?

    高速料金の値下げは、あまり効果がないように思っていた。青森から三重まで\1000とか言っても、もともと「長距離移動したい」いうニーズがなければあまり意味がないと感じていたからだ。 だが、今朝のニュースで四国の橋が\1000になって、高松のうどん屋が大賑わいになっているのを見て、「ああ、なるほど」と思った。 橋さえ安ければ、香川にうどんをいに行きたいという潜在ニーズは存在するわけだ。 この政策には賛否があると思うが、とにかく「つくること」自体が景気対策だったのに比べて「使うこと」に重点を移したという意味では画期的だと思う。 最大の問題は2年後の期限後だと思うし、その他渋滞や何やら予想外のことは起きるだろうけれども、「予想外」の出来事というのは、消費者心理にはプラスにはたらくものである。 また、5月の連休の旅行の予約も好調らしい。海外旅行がサーチャージの低下や円高で結構いいという

    yukio2005
    yukio2005 2009/04/05
    1つは代替品が存在すること。2つ目は割高感があること。3つ目は、「虚栄心を満たしたい」というニーズの減退。
  • 「100年に一度」の本当の意味。 - 広告って、なに?

    100年に一度、というのは米国の金融危機で言われたが、それは米国が戦争で大負けしてない上に、土が戦場になっていないからだと思う。 日の場合、数十年前の大戦の方が今より遥かに大変である。 米国の場合「大恐慌以来」という連想なのだろうが、そのまま日に持ち込まれているうちに都合よく使われている。 どうも発端は政治ではないか。 「100年に一度だから、いま解散するわけにはいかない」 あとは、どうにでもなる。 「100年に一度だから、人員削減はやむを得ない」 「100年に一度だから、上カルビをべている場合ではない」 不況の連鎖なんて、このようにして起きるのである。100年に一度、というのは「消費にマイナスインパクトを与えたキャッチコピー」としては、大賞受賞と言ってもいい。 ただ冷静になればわかるのだが、普通に経済活動は進行していて、モノの売り買いはいたるところで行われている

    yukio2005
    yukio2005 2009/02/16
    成長への見込み違いがあるから「対前年比90%」でも大騒ぎ
  • 態度変容を疑ってみる。 - 広告って、なに?

    広告は情報だ...そうした観点で配信の最適化を考えれば、単純な態度変容モデルそのものに懐疑的になるだろう。ただ、配信最適化論者が態度変容の概念を無視しているわけではない...「態度」の定義が違っているのではないか。 「革新的流派」が、ここに新しい定義を見出せるだろうか。 ただ、そもそも広告で態度変容が起きるのか?ということをゼロベースで疑ってみることが、実は重要でスリリングな議論かもしれない。実は「広告を見て態度変容が起こる」というのは「かつて」成立した概念かもしれないのである。 それは世の中全般において「購買欲求が高い」ような時代だったから、という考えである。 また経済的に上り調子で「買い物で失敗してもやり直しが効く」ことが暗黙の了解だった時代の理屈、というようにも言える。 つまりモノが行き渡り、かつ経済的にも「買い物の失敗」が許されなくなったいま、「広告による態度変容」という

  • amazonのクリエイティヴィティ。 - 広告って、なに?

    では、広告で態度変容が起きるようなメッセージってどうやって作るものなのだろうか?何百というコピー案やデザイン案を並べて「人の心が動く」ようなクリエイティヴを考えることが、これからも求められるのだろうか? ウェブ広告などに携わり、ターゲティングの精緻化こそが重要と主張する人の中には、そうしたクリエイティヴは不要どころは、邪魔だという人もいる。「余計なクリエイティヴはうざい」ということなのだろう。 余計なメッセージよりシンプルに「お勧めのもの」があれば十分という考えである。 分かりやすい例でamazonの「このを買った人は、このを買っています」というメッセーについて考えてみよう。このメッセージは、態度変容を起こすのに十分なメッセージなのだろうか。それとも、よりクリエイティヴィティが必要なのだろうか。 視点を変えてみよう。あなたがレストランに行って、メニュー選びに迷っている時、こんな

  • ポジショニングの視点で、BRAVIAのコピーを読むと。 - 広告って、なに?

    ポジショニングについて、さらにもう少し。 ケラーのポジショニング論には、ちょっと分かりにくい概念が出てくる。「相違点連想」と「類似点連想」だ。 相違点については、分かる。差別化である。類似点連想、というのは「他のブランドと共通した連想」ということである。ケラーの言葉だと「ゲームに参加するための"プレイ料金"」ということになる。 ポジショニングの優れた例として、ケラーは「ミラー・ライト」(ビール)の例を挙げている。だが、面白いことにトラウトも著作の冒頭で、まず「ミラー・ライト」のケースを挙げているのだ。 ただしケラーのような理屈抜きに「ポジショニングの基条件をはっきり押さえた直球勝負のコピーである」と評している。こんなコピーだ。 「ミラーのライトビールには、あなたが求めているものがすべて入っている。でも、カロリーは控えめ」Everything you always wanted

  • 広告・幸せ・象徴~②日用品としてのクルマたち - 広告って、なに?

    クルマは幸せの象徴であった。少なくても広告表現上はそうだし、現実生活においてもそうだった。現実と広告の世界におけるシンボルは一致していたのだろう。 とりあえず「あった」と過去形で書いてみたものの、いつ頃まで「象徴」であったのだろうか。もちろん、高度成長期はそうだろう。僕が入社したあとにバブルが来て、その頃も同様の文脈だった。 潮目が変化したのは、90年代半ばだと思う。この頃に複数の自動車のCMがきわめて類似したアプローチをとった。 「クルマを買うまでのプロセス」を描いたのである、 それまでのクルマの広告は、「商品をいかによく見せるか」が最大テーマだったといってもいい。そのために海外のダイナミックな景観を求めてロケに行ったり、走りのシーンにこだわり続けた。 そこにおけるクルマは「完成された商品」であり、その完成度の高さを競い合っていたともいえる。 一方で「買うまでのプロセス」を描

    yukio2005
    yukio2005 2009/02/16
    「買うまでのプロセス」を描くのは日用品(=コモディティ)の世界の常套手段
  • 内閣支持率の嘘と本当。 - 広告って、なに?

    広告の件は一休みして、ちょっと気になる世論調査のことをもう一度検証しておこう。ちなみにこれは政治に関するコラムではなく、マーケティング・リサーチについてのおさらいと、報道数字に関する基的な吟味についてのお話である。 8月の福田改造内閣で、報道各社ごとの支持率がなぜ異なるかを検証した。その際に考えるべき着目点は2つあった。 ①支持率が高い調査では不支持率も高い ②「関心なし」が低い場合は、支持も不支持も高くなる ③その結果「支持+不支持」の数値は大体80~90とばらつく ④そこで各社を比較するためには「支持率シェア」で見る ここでいう支持率シェアは「支持率÷(支持率+不支持率)」である。つまり相対シェアだ。 来の支持率は絶対シェアで見るべきだが、報道各社によって「支持率+不支持率」の数値がばらつくので、比較のためには相対シェアで検証しようということである。 さて、今回は最

  • 広告・幸せ・象徴~③「照れ隠し」としての動物たち。 - 広告って、なに?

  • プロ野球の興亡と広告。 - 広告って、なに?

  • ドコモの型番は資産ではなかったのかなぁ。 - 広告って、なに?

    ドコモが携帯機種のシリーズ名を一新するらしい。この記事が大変詳しく背景を分析しているが、ライターの石川温氏が書かれている疑問と同じことを僕も感じた。 この記事を引用すると、新たなシリーズは『これまでの「90X/70X」シリーズという区分けを廃止し、「STYLE(スタイル)」「PRIME(プライム)」「SMART(スマート)」「PRO(プロ)」という4つのシリーズに一新した。』ということらしい。 この変更に対して石川氏はこう述べている。 『特に疑問なのは、ドコモが「90X」といういまや「ブランド」と化した型番を捨ててしまったことだ。若年層の間では90Xを持っていることはひとつのステイタスにもなっていた。まさに90Xシリーズはドコモのトップブランドでもあったのだ。 BMWが1シリーズから7シリーズと数字で格付けが決まるように、ドコモの型番も、ちゃんとユーザーに認知されていた。これはau

  • Aから始まらない消費活動。 - 広告って、なに?

    マーケティングと広告との関係とか線引きについては、別に決まりがあるわけでもない。ただ、世の中には広告、特にマス広告をおこなわないマーケティング活動も山ほどあるので、広告を前提にして「マーケティングの変化」を論じると、質を見失うのではないか。 広告=ラブレター論に「陥穽」を感じたのはそういう理由である。 ところが日では広告業界がマーケティングについて発信している割合が多いために、広告を前提にした議論になるようだ。 近年の「AIDMAからAISASへ」というのも、その最たるものだろう。ネットの時代になってマス広告のような効果は変質する。それはそうだろうけど、AISASだって結局attentionを起点にしている。それは広告という「部分」からの発想である。 では、どんなモデルなのか? 消費者行動論で代表的な「購買プロセスの5段階」というのは、この図表のようになっている。スタートは広

    yukio2005
    yukio2005 2009/02/15
    マーケティング・マネジメント
  • ケラーとトラウトとブランド本。 - 広告って、なに?

    ポジショニングという概念は結構難しい。縦軸と横軸の十字を書いて、プロットすればいいというものではない。 それは「分類」である。 ポジショニングという発想はジャック・トラウトとアル・ライズの二人が書いた「ポジショニング戦略」というが嚆矢とされている。このの序文はコトラーであり、「マーケティング・マネジメント」でも、トラウトらの言葉を引用している。 だが「マーケティング・マネジメント」の12版では、様子が少々異なる。トラウトらについて触れられているが、その後に「類似点連想」と「相違点連想」という概念が出てくる。 これは共著者にケビン・ケラーが加わったからだ。 これが、なんとも分かりにくい。というか分からなくはないのだが「じゃあ、どうするんだ」と考えると、結構アタマを抱えてしまう。 そして、何とも文章が読みにくく思える。だが、これは翻訳の問題ではない、ケラーの英語が独特なのだと思

    yukio2005
    yukio2005 2009/02/15
    「ポジショニング戦略」
  • ポジショニング馬鹿一代。 - 広告って、なに?

    ポジショニングというと、十字を切った4象限上にブランド名やらをプロットして、ああでもない、こうでもないとやることだと思われている方は結構多い。 別に間違っているわけではなく、競争的ポジショニングという観点では、「それもあり」なのだけど話はそう簡単ではなくなっている。 というより、今どき企画書にこういう十文字のマップを出して来て「ポジショニングでございます」というプレゼンテーションがあった場合は、そのプランナーとか代理店のスキルを一度疑った方がいいかもしれない。 なぜか?マップを作って空白を探すようなプランニングは、市場の成長期には結構効くのだけれど、成熟期になるとかえって危険だと思うからだ。 では、その危険な理由とは何か?ともう一段考えてみよう。 それは、「マップの空白は市場(つまり顧客ニーズ)の存在を意味するとは限らない」ということを忘れがちだからである。おそらくポジショニング

    yukio2005
    yukio2005 2009/02/15
    成熟した市場では、競争軸は1つに収斂していくことが殆ど