・日本文化の模倣と創造―オリジナリティとは何か コンテンツビジネスに関わるすべての人が一読の価値ありの名著。 日本と世界の文化史における模倣と創造の関係を多面的に検証し、ものまねではないオリジナリティの追究という幻想を打ち壊す。歴史を振り返ってみれば、ものまねこそクリエイティティの源泉だったのである。 冒頭で紹介されている、類似したものを選ばせる認知実験の結果が興味深い。異なる観点で似ているものを指摘させた場合、西洋人は形状的な特徴の類似を重視する人が多いのに対して、日本人は色彩・素材・質感・肌ざわりなど非形状的な特徴に着目する人が多いという結果が出ている。 「この傾向は、一見似ても似つかないもののあいだに類似点を発見する能力、すなわち「見立て」につながる。日本で「見立て」の文化が華開いたのは、案外、日本語が持つ文法構造のせいなのかもしれない。」 こうした類似性の認知能力をベースにした模倣