初めて今の彼女が施設のクルマに乗って僕に会いに来て、そのころ担当していた児童を僕に会わせたのは、2年前のちょうど今ごろのことでした。その子の顔を見たとき、「うわっ、3歳児にしてもうヤンキー顔・・・」と思ったことを覚えています。 その子の里親になりたいという相談でしたが、さすがに気が進まなかったので断り、関係が断絶しかかりましたが、今では修復しています。子どもへの慈愛が深い彼女なので、それだけ彼を施設から出してあげたいと真剣に思い詰めていたんですね。優しい子でしょう? 僕は大好きです。 というわけで、僕は現役施設職員の彼女を介して、日本の児童養護シーンと間接的に繋がっている人間です。児童虐待だの近親相姦だの、僕のこれまでの人生とは何の関わりもなかった深刻な問題がいやでも目と耳に入ってきました。彼女の仕事での憔悴ぶりを見るだけでも、どういう世界なのか感得できるところがあるのです。 ネットでも当