各文化人や一流ビジネスパーソンが、これまでの半生を振り返りつつ、自分にとっての「愛」とは何か?を語るインタビュー連載。第一回はジャーナリストの佐々木俊尚さん。前編はこちらからご覧ください。 人生を設計し直すしかない 98年、毎日新聞社の事件記者として多忙を極めていた佐々木俊尚は警視庁担当を外れ、遊軍記者としてさまざまな現場に足を運ぶようになった。新聞記者としてのキャリアにも脂が乗ってきた頃だ。右耳が聞こえなくなったのは、突然のことだった。 「その日はちょうど、小渕内閣が組閣された日。小渕氏の自民党総裁就任演説を取材しに、自民党本部に出かけたとき、『小渕総裁、 万歳!』って声が聞こえた瞬間、耳がびーんと聞こえなくなって。 先輩に言ったら『それは突発性難聴だから、明日休んで病院に言ったほうが良い』と言われて翌日警察病院に行ってMRIを撮ったら、突発性難聴ではなく巨大な腫瘍が頭の中にありますと言