海外の年金事情から見た「年金」問題(1)〜関係省庁、政府、国民に三者三様の責任がある (荒川 龍=ルポライター) ビジネスパーソンの視点から年金問題を解説する、第3弾は、海外の年金制度にくわしい慶應義塾大学経済学部教授の駒村康平氏にご登場いただく。今年3月まで参議院の厚生労働調査室で、年金制度改革の議論に加わっていた駒村氏は、5000万件の該当者不明年金記録が年金財政に与える影響は「さほど大きくない」と話す。むしろ、「雇用流動化にきちんと対応できていない現在の年金制度や、今後の基礎年金像など、年金をめぐる本当の議論はこれから始まる」という。 厚労省の認識は「最終的に記録がつながればいいだろう」程度 慶應義塾大学 経済学部教授 経済学博士 駒村 康平氏 1964年、千葉県生まれ。慶應義塾大学卒大学院卒。社会保障研究所から国立社会保障・人口問題研究所研究員。その後は駿河大学、東