(前編はこちらから) あなたの好きな小説の文庫本を作るとしたら一体どんな書体を選べばよいでしょうか? 〈書体の神〉がすべての本好きに贈る、眼から鱗の実践編。 ここに小説があるとして、その本文には一体どんな明朝体を選べばよいのか? それを数値化したのが表1です。何だか、すごくつまんない感じですね(会場笑)。でも、これ、よく見ていくと面白いですよ。ここに書体選びの全てが詰まっていると言っても過言ではありません。 表1 端の1から30までの番号はそれぞれ表2の書体番号と対応しています。例えばNo.1の黎ミンLという書体がどんなものか知りたい場合は、表2の1番を見て下さい。表1は30種類の書体がそれぞれどんな個性を持っているかを、一番上の段の〈太さ〉、〈大きさ〉、〈大小の差〉といった項目ごとに示しています。これらの観点から、僕は書体を作ったり見たりしています。 表2 では、順に解説していきましょう
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