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ブックマーク / takekuma.cocolog-nifty.com (33)

  • マンガとアニメーションの間に(3-1): たけくまメモ

    ※10月29日と30日に京都精華大学で「マンガとアニメーションの間に」と題した講義レジュメである。29日に手塚治虫を、30日に宮崎駿を講義するが、まずは手塚治虫のレジュメをアップする。 ■京都精華大学連続講義レジュメ 第三回「手塚治虫の引き裂かれた夢」(1) 講師 竹熊健太郎 【A】手塚の「映画的手法」について ●初期手塚マンガを「映画のようなマンガだ」とする発言は、藤子不二雄Aをはじめ、『新宝島』(1947)などの初期作品をリアルタイムで読んだ世代によってしばしば語られている。 →初期手塚作品がどのように「映画的」なのかについては、諸説があり、多くの論者によってさまざまな角度から語られている。 →手塚作品が戦後の読者から「映画のようなマンガ」として受け止められたこと自体はおそらく間違いないが、フィルムによって構成される映画と紙の上に描かれるマンガとの間には、時間の扱い方において決定的な違

  • 宮崎駿のアヴァンギャルドな悪夢: たけくまメモ

    昨日の土曜日、宮崎アニメの新作『崖の上のポニョ』を見てきました。一応、ネタバレにならない範囲で感想を書きますと、見たことがない種類のアニメーション映画でした。アニメーションとしても映画としても、似た作品を俺は思い当たらないし、過去のどの宮崎アニメとも似ていません。 もちろんキャラクターとか、ディティールの演出やセリフはいかにも「宮崎駿」なんですよ。確かに宮崎アニメに違いないが、見ている最中の「違和感」は、これまで感じたことがないほどのものです。まるで、はっと気がついたら父親が人間モドキに変わっていたような感じ。 『魔女の宅急便』を試写で見たときに、それまでの宮崎アニメと雰囲気が違うので少しとまどったことがありますが、二度目に見たときには大好きになりました。『ポニョ』も複数回見れば、印象が変わるのでしょうか。たぶん、そうなのでしょうが、今度ばかりは「理解した」と思えるまでに時間がかかるかもし

    zenibuta
    zenibuta 2008/07/20
    確かにアニメだから成立してるけど、実写でやったらホラー映画だよな
  • インドへ馬鹿がやって来た: たけくまメモ

    マンガ家・山松ゆうきちさんの新刊『インドへ馬鹿がやって来た』(日文芸社)が刊行されましたのでご報告します。 この「たけくまメモ」でもずっと前に紹介したことがあるんですが、山松さんがインドに半年間行って、そこで日のマンガを出版しようとしたことがありました。ありましたではなくて、現在もその夢を諦めてはいないようなんですが。 http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2005/05/post_8380.html ↑たけくまメモ「山松先生に会ってきた」 山松さんといえばマンガの中の雨を「ざかざんざかざんざかざん」と降らせたり、田舎町を舞台にババアとヤクザが出てくる人情だかなんだかよくわからない話を描いたりする巨匠なのですが、50代も後半にさしかかったある日、突然「マンガの出ていない国はあるのだろうか」と疑問を持ち、調べてみたらどうもインドは出ていないようなの

  • mixi規約変更問題によせて: たけくまメモ

    昨日マイミクの友人からメッセージが届いて知ったんですが、ここにきて急にmixiが利用規約(4月1日より施行)を変更し、ユーザー日記等をmixiが勝手に利用しても「著作者人格権を主張できない」ことになりそうだというので、大騒ぎになっているようです。以下変更予定のmixi利用規約より引用します。 第18条 日記等の情報の使用許諾等1 サービスを利用してユーザーが日記等の情報を投稿する場合には、ユーザーは弊社に対して、当該日記等の情報を日の国内外において無償かつ非独占的に使用する権利(複製、上映、公衆送信、展示、頒布、翻訳、改変等を行うこと)を許諾するものとします。2 ユーザーは、弊社に対して著作者人格権を行使しないものとします。 http://mixi.jp/rules_sample.pl ↑mixi利用規約 ネット内ではブロガーの中からも、この一方的な規約改正に疑問の声があがっております

  • クリプトン伊藤社長の「態度」: たけくまメモ

    またぞろ「初音ミク」界隈が騒がしくなってますね。この前もグーグル検索で初音ミク画像がいきなり表示されなくなったり、ウィキペディアの初音ミクの項目での著作権侵害疑惑で、ややこしい騒動が起きたりしたばかりですが、今度はニコニコ動画に絡んだ問題ですよ。 騒動は今月頭からみたいですけど、騒ぎが大きくなったのは昨日みたい。俺はこの件ではネット見てなかったので今日気がつきましたよ。とっくに2ちゃんねるのニュース速報+などではスレッドが乱立して祭り状態になってます。出遅れてすいません。 とりあえずわかっているのは、クリプトンの社長と「ニコニコ動画」を運営しているニワンゴの親会社であるドワンゴが、「契約した・しない」「オリジナル曲作者に使用許可をもらうのはどちらだ」「ドワンゴは、勝手に初音ミクをJASRACにアーティスト登録するな」みたいなことで揉めているということです。 この事件、論点が多岐にわたって結

    zenibuta
    zenibuta 2007/12/23
    冷静なまとめ
  • 『恐怖奇形人間』GET!!: たけくまメモ

    ←Horrors of Malformed Men 恐怖奇形人間(東映) 生きてて良かった! と心の底から思える今日この頃。あの、永遠に入手不可能かと思われた、石井輝男監督の『江戸川乱歩全集・恐怖奇形人間』DVDをついに入手できました! 確か10年ほど前でしたか、この映画が東映からビデオ化されるってんで、心待ちにしておったんですよ。それがタイトルと内容が何か問題あったのか、オクラ入りになってしまったんです。 すごくガッカリしたんですが、このまえ町山智浩さんのブログでアメリカでDVDになったと知り、あわてて注文したら、あっけなく届きました。町山さんのエントリはこちら。 http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20070815 この映画、カルトの中のカルト作品として80年代にはよく文芸地下や大井武蔵野館なんかの名画座でかかってました。俺5回は見たと思うんだけど、見る度に

  • たけしは何度自殺すれば気がすむのか: たけくまメモ

    昨日は終日ヒマだったので、映画でも見ようと思い、南町田のシネコンで『スパイダーマン3』と北野武の『監督・ばんざい!』を見てきました。当は『監督…』と松人志の『大日人』を見ようと思ったんだけど、松のは時間が合わずに断念。 『スパイダーマン3』ですが、特撮はさすがによく出来ているんだけれども、シナリオがちょっと生煮えな感じ。2映画を無理矢理1にまとめたみたいな印象でした。監督は前2作と同じサム・ライミだけど、次は別の人が監督したほうがいいんじゃないかなあ。ライミは好きな監督だけに、もっと他の作品も見てみたいです。 それで『監督・ばんざい!』なんだけども、俺がこう書くのもなんなんですが、『サルまん』みたいな映画でした。少なくとも俺や相原君が最初の『サルまん』に持ち込んだコンセプトを、映画で展開したらこうなるのか、という作品になってます。まあ、たけしさんにその意識はないでしょうが。

    zenibuta
    zenibuta 2007/06/19
    監督・ばんざい=サルまん説 あーなるほど。サルまんみたいに各映画に解説入れてくれたら、結構おもしろかったかも
  • たけくまメモ : 【著作権】とんでもない法案が審議されている

    先週あたりから一部で話題になり始めているので、すでにご存知の人もいるかもしれませんが、著作権法の改定を視野に入れたとんでもない法案が日国政府関係者によって審議されていますので、ご存知ない方のためにこの場で報告したいと思います。 「とんでもない審議」というのは、もちろん俺自身が「とんでもない」と思っているわけですが、もしこの審議に基づく著作権法改定がなされた場合、俺だけではなく、およそ表現行為をするもの全員にとって、プロアマ問わず等しく重大かつ深刻な影響を与えることになるのではないかと思われます。 今の動きをかいつまんで書くなら、「著作権法の非親告罪化」に向けた準備が政府機関によって進行しているいうことです。これまでも現在も、著作権侵害というものは「侵害されたと思う側」が民事裁判に提訴するなり、あるいは刑事告訴をしない限り逮捕することも裁判を起こすこともできない「親告罪」とされているわけで

  • 川内康範先生の想い出(2): たけくまメモ

    ←インタビュー中、赤田祐一編集長が撮影した川内先生(QJ創刊2号) QJ川内インタビューのある意味での白眉は、戦時中先生が徴兵されて海軍に入ったあたりの話ですが、ここで先生は決定的な体験をします。そこは最近「森進一が怯える川内康範の知られざる履歴書」という記事を載せた「週刊新潮」ですら遠慮して書かなかった部分で、先生の秘書から「私も初めて聞きました」とまで言われた重要な話なのですが、先生が戦後、玉砕した英霊たちの遺骨収集活動に邁進され「憂国の士」となったきっかけとして、非常に納得できる話でした。 ずるいようですが、詳細はこの秋再刊される文庫にゆずります。まあごく簡単に書くなら、先生には「病気除隊」して自分だけが生き残り、多くの戦友が死んだことに対する後ろめたさというか、贖罪意識があるわけです。その話をされたとき、先生は声をつまらせ、ふりしぼるように「俺は卑怯者だ!」と慟哭されたことが昨日

  • 川内康範先生の想い出(1): たけくまメモ

    ←ダンディな川内康範先生 齢87になって、再びマスコミをにぎわせておられる川内康範先生ですが、愛弟子であったにもかかわらず礼儀を失した森進一を破門したり、押しかけた無礼なテレビクルーに向かってステッキを振り回して一喝するなど、お元気そうでなによりです。ステッキの翌日はマスコミ各社にお菓子をふるまわれるなど、怒っても気配りを忘れないところもさすがといえます。 俺が川内先生に最初にお目にかかったのは1994年8月のことでした。当時仕事をしていた雑誌『クイック・ジャパン』(太田出版)で、俺は「QJ名物老人インタビュー」と呼ばれた連載をしていました。オリバー君を日に呼んだプロモーター康芳夫氏・「怪獣図鑑」の挿絵画家・石原豪人先生に続いて、川内先生は三人目でしたが、なにしろあの『月光仮面』『レインボーマン』の原作者であり、お元気なうちにぜひお話を伺いたいと思っていたのです。 ←川内インタビューが載

  • 森進一はどうするべきか: たけくまメモ

    オン書きです。「コレクター考」の途中ですが、前回川内康範先生のことをチラリと書いたので、いま巷を騒がせている森進一の「おふくろさん」問題について少し意見を述べたいと思います。詳しい経緯は報道に譲りますが、結論をいうなら、これはなんと言っても森進一が悪い。自分の詩に他人の書いたフレーズを勝手に付け加えられて、喜ぶ作者なんかいないですよ。当時の事情はどうあれ、10年前に先生から強く抗議されて、一度は謝っていたわけでしょう。 しかも相手はあの川内先生ですよ? 「おふくろさん」「骨まで愛して」「伊勢佐木町ブルース」「死ね死ね団のテーマ」など幾多の名曲を作った芸能・歌謡界のドンであるばかりか、「月光仮面」「レインボーマン」などヒーロー番組を生んだ「オタクの父」でもあり、政界にあっては右翼・民族派の論客として歴代総理大臣の私設政策顧問をつとめ、70年代には当時の警視総監から乞われて「警視庁の歌」を作り

  • あれが“死”か。(2): たけくまメモ

    そういえば先日、ある見舞客から「人生観が変わったでしょう?」と問いかけられた。要するに死の一歩手前を経験したのだから、それなりにものの見方だとか価値観が変化したのだろうと言うのだ。 なるほど、命に関わる体験をして、信心に目覚めたり、それなりに信奉していた価値観がコペルニクス的転換を遂げたという人は多そうだ。俺にも、何かそういった変化が起きたなら劇的で面白いと思う。それで自分の胸に手を当ててしばらく考えてみたのだが、残念ながらまだそういった変化はなさそうだ。少なくとも俺の場合、病気前と病気後で性格や考え方にほぼ変わりはない、とこの場で断言したいと思う。 そうした心境の変化について言うなら、あくまで俺の場合、仕事がスランプに陥った時期のほうが「変化」は大きかった気がする。俺はまだ未経験だが、子供を持っても変化は大きいだろうと思う。そいつが成長するまで面倒をみなければならないという「責任」が発生

  • 【速報】読売夕刊にあの表紙が…: たけくまメモ

    さっき担当の天野さんから知らされてあわててキオスクで買ったのですけど、日発売の読売新聞夕刊に「あの表紙」が掲載されていました。 しかもカラーで。 出たばかりの『サルまん』についてもちょこっと触れられてはいますが、基的に「あの表紙」を載せたかったとしか思えません。まあ、いいんですけど、つーか有り難いといえば有り難いのですが、さっき俺の親から 「見たぞ。」 と電話がありました。物書きであるからには、つねにこういうリスクとの闘いの連続であることを、覚えておいてください。