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ブックマーク / nextsociety.blog102.fc2.com (10)

  • 「Gのレコンギスタ」の総括【劇場版を終えて】

    劇場版5部作を終えた「ガンダム Gのレコンギスタ」の総括を述べたい。 「Gレコ」は富野由悠季の研究論文 「Gのレコンギスタ(以下Gレコ)」は、富野由悠季のによる「宇宙エレベーターやフォトンバッテリー等を通して現代の社会経済と科学技術に対して異議申し立てをする研究論文」である。 Gレコの企画が具体化する2000年代後半。富野監督は取材やインタビューを通し、「ハンナ・アーレントの『全体主義』の考えをアニメで表現したい」と語る。この試みに期待を高めていた。 2015年の講演会では参考資料として池内了「科学・技術と現代社会」とE・H.カー「危機の二十年」を紹介。2016年の講演会ではガンダムエースの対談企画「教えてください。富野です。」での対談。特に宇宙エレベーター実験の参加と青木義男教授達との出会いが大きかったと語る。以上の経緯を踏まえると、Gレコは富野監督の出会い・取材・経験を通したインプット

    「Gのレコンギスタ」の総括【劇場版を終えて】
    zenibuta
    zenibuta 2017/02/06
  • 富野監督の「ターンエーはGレコの500年くらい昔の話」発言から感じた事

    8/27のガンダムカフェで開催されたGレコ勉強会。 ゲストは富野監督と石井マークさん。 勉強会のクライマックスは、 この勉強会の質疑応答の中で富野監督は、質問者から 「初めて時間を遡った作品を作られた心境を」と聞かれたところ 「ターンエーはGレコの500年くらい昔の話」 という返答をしたところ。 私は目からウロコだった。 監督自身による「Gレコ」が「ターンエー」より後の作品という発言に驚かされた。 私は「ターンエー」で提示された 黒歴史そしてガンダムの全肯定という概念に対して 「ターンエー」以降に作られるガンダムも全て黒歴史となり 全てのガンダムの終着点として「ターンエー」があると思っていた。 「SEED」も「00」も「AGE」もこれからの「鉄血のオルフェンズ」も 全て黒歴史になって、最後に「ターンエー」の世界が訪れると思っていた。 「ターンエー」が歴史の最後という位置づけで今までのガンダ

    富野監督の「ターンエーはGレコの500年くらい昔の話」発言から感じた事
    zenibuta
    zenibuta 2015/08/31
  • 富野由悠季監督と安彦良和さん、湖川友謙さんの関係性について

    はじめに 「機動戦士ガンダム」の中心アニメーターにして、 今は漫画家として活躍されている安彦良和さんの 「機動戦士ガンダム」の原画集が庵野秀明監督編集の元、 5/31に発売されているようだ。 日の代表的なアニメ作品の一つである「機動戦士ガンダム」。 安彦さんが描くキャラクター、メカニックに惹かれて 「機動戦士ガンダム」を支持しているファンも多いと思われるし、 安彦さん抜きに「機動戦士ガンダム」は語れない。 さて今回は安彦さんと「機動戦士ガンダム」の総監督である 富野由悠季監督の関係について私見を述べてみたい。 さらに富野監督と湖川友謙さんの関係を比較することで、 富野監督と安彦さん、富野監督と湖川さんの それぞれの関係性を見ながら考えてみたい。 梶原原作におけるちばてつやさんと川崎のぼるさんの関係と比較して考える 私が富野監督と安彦さん、そして湖川さんの関係を考える時に 梶原一騎原作にお

    富野由悠季監督と安彦良和さん、湖川友謙さんの関係性について
    zenibuta
    zenibuta 2014/12/09
  • 失われた何か 「Gのレコンギスタ」5話の画面作りの面白さ-シリアスとユーモアの混在

    はじめに 「Gのレコンギスタ」5話を視聴。 作ではGセルフを巡り、 キャピタルアーミィと宇宙海賊(実質はアメリア軍)が争っている。 キャピタルアーミィ側はベルリ・ゼナム達の救出を口実に 新しいMSを次々に投入させて、クンパ大佐は力を得ようとしている。 宇宙海賊はキャピタルタワーの占領と、宇宙への進出が目的のようだ。 スコード教への疑問もあるようだ。 こうした不安定な情勢下の世界。 カーヒル大尉を始め、前回4話のデレンセン大尉が 自分の部下を7人死なせた事を悔やむ描写を含め、お互いに戦争をやっている。 作のベースにあるのは、人が死ぬシリアスでハードな世界観である。 しかしシリアスでハードな世界観ながら、作はそれだけではない柔らかさがある。 それはキャラクター達が生きること、自分の信念に前向きに生きていること。 例えるなら、EDの「Gの閃光」の歌詞のように、みんな生きている。 次に編中

    失われた何か 「Gのレコンギスタ」5話の画面作りの面白さ-シリアスとユーモアの混在
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    zenibuta 2014/10/27
  • 「Gのレコンギスタ」4話の繋がらない富野流会話劇の意味

    「Gのレコンギスタ」4話。 アイーダに連れられて、ベルリ・ノレド・ラライアが宇宙海賊の元へ。 一方キャピタル・アーミィはデレンセン大尉のカットシー部隊を使い、 宇宙海賊を叩く魂胆だが、ベルリはカーヒル大尉の件で アイーダに貸しがあると感じ、戦いを止めようとGセルフに乗る展開。 カットシー乱舞というタイトル通り、 カットシーとGセルフの戦いが小気味よく描かれていた。 さて今回はGレコの会話劇について、4話を例に語ってみたい。 まず富野監督の作品は、Gレコもキャラ同士の会話が噛み合わないと指摘されている。 しかし他にも動作にしてもキャラクターがどこかに飛び移ろうとして失敗しそうになる、 もしくはストーリーの進行上を見ても、何かを行おうとしても進まないなど、 富野作品は世界観・キャラの会話や動作も含め「うまくいかない」価値観で通底される。 これが前提としてある。「ディスコミュニケーション」的であ

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    zenibuta 2014/10/20
  • 全力でふざける「健全ロボ ダイミダラー」が熱く面白い9つの理由

    「健全ロボ ダイミダラー」が面白い。 今回の記事では作が熱く面白い理由を9つ紹介してみたい。 公式HPが面白い http://penguin-empire.com/(TVアニメ「健全ロボ ダイミダラー」公式サイト) インターネット黎明期にありそうな、懐かしさをも感じさせるページ構成。 作品のコンセプトの一つであろう、古きロボットアニメの再現を表現している。 主題歌がカッコイイ 遠藤正明さん率いる遠藤会(遠藤正明、bamboo、やまけん、鷲崎健)が歌う 「健全ロボ ダイミダラー」も作に彩りを添える名曲。 健全ロボと言いながら、ミダラ、ミダラと繰り返す歌詞は心地よい。 健全的なエロ ダイミダラーの、おっぱいを揉む、おっぱいを見せるといったエロは カラッとしているのが、健全的で心地よい。 健全的なエロ、男のリビドーに忠実的であり続ける態度も 作のルーツで古きロボットアニメの始祖たる永井豪の

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    zenibuta 2014/05/13
  • アニメ監督の制作現場の作り方-富野由悠季・宮崎駿・押井守

    はじめに アニメの監督の仕事とは何か。 まず視聴者なりに、アニメ監督の仕事内容をざっと挙げてみるとしてみると 読み(脚の打ち合わせ)、各話のコンテチェック、各話演出担当との打ち合わせ アフレコ立会、編集などなど、仕事の内容は多岐にわたるのはなんとなくイメージできる。 こうした具体的な業務以外にも、監督の仕事はあるのではないか。 それは「制作現場の環境作り」である。 この事を気づかせてくれたのは、「栄光の80年代ロボットアニメ」にある 河原よしえさんが書かれた「80年代ロボットアニメ監督たちの素顔」という記事だった。 ※栄光の80年代ロボットアニメ (タツミムック) 河原よしえさんは1975年にサンライズに入社し、製作現場の各作業補佐及び広報素材整理、 その後は設定や広報、脚などを手がけたキャリアを持ち、 1980年代のサンライズの現場を間近で見てきた方だ。 この記事で河原さんは、富野

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    zenibuta
    zenibuta 2014/02/03
  • 庵野秀明の「メカと美少女」理論から見る宮崎駿の「風立ちぬ」の構造

    宮崎駿監督の最新作「風立ちぬ」を鑑賞。 大まかにいえば、前半は零戦の設計者である堀越二郎の半生をベースに、 後半は堀辰雄の風立ちぬをベースにして 結核に犯された里見菜穂子とのラブロマンスを描いた作品だった。 また宮崎監督の前作の長編「崖の上のポニョ」では水と海を描いた作品であり 作では、風と空を描いた作品になっていたのが面白かった。 さらにいえば「風立ちぬ」の水が「ポニョ」を踏まえた表現だったのが技術的に面白かった。 また堀越次郎の顔の骨格が「天空の城ラピュタ」のムスカ大佐と似ていたので、 二郎をムスカの若かりし頃の時代の存在、もしくは生まれ変わりだと思えたので面白かった。 さて全体的に気になったのは、前半の堀越二郎の夢と仕事の物語が 後半では一転したかのようにラブロマンスに変わっていったのが気になった。 そもそもなぜ堀越二郎と堀辰雄という 全く別の二人をモデルにして一人のキャラにまとめ

    庵野秀明の「メカと美少女」理論から見る宮崎駿の「風立ちぬ」の構造
    zenibuta
    zenibuta 2013/07/22
  • 【感想】ヱヴァゲリオン新劇場版「破」を劇場版Zガンダム(富野監督)と比較する

    「破」の感想2回目。 ちょっと切り口を変えた感想。 それは、今回の「ヱヴァ」と似たようなコンセプトだったと思われる Zガンダム劇場版3部作、そして庵野監督の作風にも影響を及ぼしている 富野監督と比較しながら感想を述べたい。 今回の「ヱヴァ」が凄いのはかつてのTV「エヴァ」を超える可能性を秘めてる所だ。 「序」の時はまだおぼろげだったが、「破」を見て、その確信がさらに強まった。 映像メディアでもマンガでも何でもいいが、リメイクや続編は家を超える事が出来ない。 ほとんど無理であると言っても良い。「ヤマト」しかり「北斗の拳」しかり。 理由は作品によってまちまちだが、大きな理由は作品は時代の産物でもあるから、 その時代で無いと意味を成さない場合が多いからだ。 今回の「ヱヴァ」はその辺りをきちんと汲み取ってテーマなり話を 今の時代の「エヴァ」にちゃんとカスタマイズしているように感じる。 端的に言え

    【感想】ヱヴァゲリオン新劇場版「破」を劇場版Zガンダム(富野監督)と比較する
  • 【マリ】ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 【感想】

    今しがた見て来た所。 感想は年甲斐も無いが、凄く凄く凄く良かった。 以下ネタバレ満載で書くと思うので、知りたくない方はご容赦を。 今回のヱヴァは「破」という言葉に集約されるように 今までの「エヴァ」の内容を「破壊」しし尽くしヱヴァ」にする試みだったといえる。 その「破壊」の象徴として存在がマリ(坂真綾)だったように思える。 今回、やっぱりシンジは前と同じく使徒に乗っ取られた3号機EVAに攻撃できず (ここで乗っ取られたパイロットがトウジではなくアスカに変更されたのは驚きだった) ダミープラグで3号機を破壊されアスカは瀕死になる。 ここでシンジは前のエヴァみたいにEVAのパイロットを辞めるわけだが、 今回、彼をEVAのパイロットに戻すきっかけを作ったのが加持リョウジではなく マリだったのには驚いた。最初はマリがシンジをパイロットに戻すのはこの編中に マリとシンジの間に1回しか接点が無く、

    【マリ】ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 【感想】
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