JAXA河内山治朗理事に聞く 次期固体ロケット(2)〜発展性は確保、部品レベルでH-IIAと共通化 (前回記事はこちら) 十分な発展性は確保した ──低予算で開発できたとしても、次期固体ロケットにはその次につながる発展性はあるのか。 河内山 この設計には将来に向けて、より最適なロケットを目指せる発展の方向を仕組んである。将来に向けた基礎となるロケットを、効率的な開発費で実現しようとしているわけだ。まず第3段を付ければ打ち上げ能力は地球低軌道に1.3tにまで増える。 その先の方向性としては、現在第1段のSRB-Aには65tの推進剤を注入しているが、3段式でこれを85tまで増やせば、現在のM-V並にまで打ち上げ能力を向上させることができる。もちろん、そのためには別途の開発予算が必要ではある。どのように発展させるにしても、固体ロケットの良さを維持することが条件となる。 ──M-VとS