「技術力があることを示せば,外国人技術者でも信頼を勝ち取ることができる」---フランスのIT企業Nexedi社でCTOとして働く奥地秀則氏は,技術者を束ねる方法をそう語る。ただし技術を示すこととは,経歴や肩書きを示すことではない。「その技術者が苦労している問題を解決してみせることだ」 世界中のLinuxを起動するGRUBのメンテナ Nexediはフランスで統合業務システムERP5を開発し,オープンソース・ソフトウエアとして公開している。ERP5はフランスの大企業のほか欧州のある中央銀行でも採用され,32ノードのクラスタ上で稼動しているという。日本のユーザーでも,すでに1年以上にわたって利用されているという。2008年6月には日本法人も設立し,奥地氏は本社CTOと日本法人の社長を兼務している。 奥地氏は,ブートローダー(OSを起動するプログラム)GNU GRUBの公式管理者(メンテナ)として