沖縄独特のお墓といえば亀甲墓が知られていますが、こうした形式は近世になって導入されたもので、それ以前は崖下のくぼみや洞窟を利用したお墓でした。浦添ようどれや小禄墓に見られるように、崖下のくぼみに石を積んでふさぎ、墓室としますが、さらに古いものになると、その場所に木製の建物を設置します。今帰仁の百按司墓が代表的な木製の家型墓です。 あまり知られていませんが、宜野座村にも古い時代の木製家型墓が残されています。漢那のウェーヌアタイ遺跡にあるもので、洞窟の壁際に置かれています。部材はチャーギ(イヌマキ)を使い、内部には実に170体以上の遺骨が安置されていました。この墓は近代まで使われており、最後に葬られたのが大正元年(1912)だそうです。 その形式は今帰仁の百按司墓のものとほぼ同じです。実は現地にあるこの墓は2005年に復元されたもので、現物は宜野座村立博物館で見学することができます。 解体修理