国内の空港でエボラ出血熱の感染が疑われる事例が把握された場合、搭乗機の便名を公表する方針を太田昭宏国土交通相が明らかにした。国民に不安が広がっていることがその理由だという。 エボラ流行国に滞在していた人が入国時に発熱していれば、直ちに設備の整った病院に搬送し、エボラウイルスの感染の有無を検査する。西アフリカの流行が止まらない現状では、こうした水際の対策は必要だろう。 ただし、「不安解消」が便名公表などの合理的な理由になるとは思えない。そもそも発熱レベルでの病院搬送事例を公表すること自体、対策として有効かどうか大いに疑問がある。 米国のニューヨークでは、ギニアでエボラ治療にあたり帰国した国境なき医師団の医師が発熱を認めた段階で、直ちに届け出た事例がある。医師は入院して治療を受けているが、その前日に地下鉄に乗っていたことから地元では一時、大きな不安が広がった。 だが、エボラウイルスは発症以前な