北九州市小倉北区の男性=当時(61)=が平成19年に自殺したのは、生活保護の申請を拒否し続けた市の対応が原因として、男性の遺族3人が2日、同市に計約1090万円の損害賠償を求める訴えを福岡地裁小倉支部に起こした。 訴状によると、男性は入院中の18年4月、生活保護を申請したが拒否され、6月の4度目の申請でようやく保護費の支給が始まった。しかし就職後の翌年4月に辞退届を提出させられ、無職となった6月の申請も認められず、アパートの自室で首つり自殺をした。 遺族側は「保護が必要な状態だったのに、生活実態も調べずに申請を拒否し、担当者はうその説明を繰り返した。死亡時の所持金は1079円だった」と指摘、「違法な保護行政で生活に困窮し、生きる希望を失って自殺に追い込まれた」と主張している。