「なぜダメなのか」が理解できない 介護の現場で何が起きているのか。政府の規制改革推進会議(大田弘子議長)が2月21日、東京・霞が関で公開ディスカッションを開いた。 あきらかになったのは、家族用の食事など保険外サービスの同時提供を認めない厚生労働省の頑なな姿勢だった。 高齢の要介護者にヘルパーが付き添って食事や入浴、リハビリなどの世話をする。これは介護保険が適用されるサービスだ。ところが、要介護者と暮らす家族に対して、食事や買い物といった保険外のサービスを同時一体的に提供するのは認められていない。 ヘルパーが要介護者の食事を作るなら、一緒に家族の食事も用意してもらえないか、という声はけっして例外的ではない。家族分は当然、保険外になるが、別料金を支払ったとしても、その方が便利で家族も助かる場合があるからだ。保険外サービスを頼むかどうかは、もちろん利用者の選択次第である。 現行の介護保険制度の下