ヘンリー・ルーミスは、妻のジェーン・ヘリングとともに横浜外国人墓地に眠っている。横浜に在住すること四十三年、日本の土になった宣教師である。ルーミス夫妻の墓碑にはイザヤ書三三章一七節の聖句「彼らの目は、麗しく飾った王をみる」と刻まれている。 ルーミスは一八三九年三月四日、アメリカ合衆国ニューヨーク州バーリントンの農家に生まれた。ルーミスの祖先は、ロンドンの南約五十キロのブラントリーから一六三九年、アメリカのコネティカット州ウィントリアに移住した頑固なピューリタンで、バーリントンには祖父ジョセフ・ルーミスの時代に引っ越してきた。ルーミスの父はノア・コールマン、母は、ニュー・イングランド気質を持ったマリア・ミーチで、ヘンリーは八人兄弟姉妹の下から二番目であった。 ヘンリーは二十歳の時、牧師の導きでハミルトン大学に入学した。ところが一八六一年に南北戦争が勃発、二年生も終わりに近づいたころ、リンカー