「へえ、面白い」「借りていこうっと」。カウンター前に並べられた卒業研究を、中学1年の生徒たちが手に取っていく。4月、大阪府河内長野市の清教学園中・高校の図書館「リブラリア」。昨年度の卒業生による卒業研究は、「メンタルトレーニング」「茶」「忠臣蔵」など多彩なテーマで、レイアウトにも工夫を凝らした力作ばかりだ。 卒業研究は、図書館を活用する「探究型プログラム」の一環で、同校の総合学習改革として始まった。中学生は全員、自由なテーマで研究する。完成した研究は製本され、貸し出し用のバーコードがつけられて蔵書に加えられる。 「先輩の作品がよい手本になり、年々、内容や伝え方を工夫した作品が増えてきた」と、図書館で指導にあたる片岡則夫教諭(48)は語る。 高校には、関西学院大学に推薦入学できる「連携コース」の独自の教科で、進学の条件として4万字の論文が課せられる「探究科」がある。片岡教諭は、2008年発足