「麸」や「靭」を大阪本社だけが用意していたのはなぜ? 「畩」になじみがあるのはどの地域の人?―― 昭和30年代に朝日新聞の4本社が、全国共通で整備する字とは別に、それぞれで活字を保有していた「ローカル字」。前々回は東京本社と中部(名古屋)本社のローカル字を、そして前回は大阪本社のローカル字を途中まで紹介しました。今回は大阪の残りと、西部本社です。 社内資料「統一基準漢字明朝書体帳」第3版(1960年)の巻末にあるローカル字の一覧(前々回の画像を参照)を見ると、東京と中部に比べ、大阪や西部はその倍ほどもローカル字が並んでいます。やはり管内の地名が中心ですが、細かく見ていくと、自治体レベルに限らず、紙面に必要な字をより丁寧に拾っている印象を受けます。 ◇ では、大阪本社のローカル字の続きを見ていきましょう。下の表をご覧ください。番号は説明のために便宜的に振ったもので、東京・中部両本社と重複して