普通という仮面をかぶった女・阿武英子 「怖い」と「笑い」は表裏一体だ。 本作『阿武ノーマル』のオビには「新感覚サイコ・サスペンス、開幕──!!」とあるが、新感覚すぎて、爆笑必至のコメディであり、なぜだか爽快で(ちょびっと)感動的ですらある……。つまりは傑作(確定)だ。 主人公は阿武英子。 彼女は相手が笑ったら笑う、相手が泣いたら悲しむといった、協調性が根本から完全に欠落している。それでは社会生活やコミュニケーションが成り立たないし、なにより会社勤めができない。それは生きづらさとは別次元の問題として「不便なので」彼女は普通になりたい。そこで彼女は大学の一年先輩・相田一香の手ほどきを受け「普通の人間」という仮面を手に入れる。 <訓練前の阿武英子の笑顔> <訓練後の阿武英子の笑顔> そして相田一香と同じ会社でOLとして働き始める。「普通の人間」を極めるために同僚の榊原撫子を研究しながら、ぬるくも
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