東京証券取引所の売買システムで10月に6年ぶりのシステム障害が発生し、40社近くの証券会社が一部の注文を送れなくなった。引き金はメリルリンチ日本証券のIPアドレス設定ミス。東証と証券各社の運用の不手際も重なり、影響が広がってしまった。4重化構成をフル活用できず、運用面での課題が浮き彫りになった。 「ログインができない。どうなっているのか」。3連休明けの2018年10月9日火曜日、午前7時30分過ぎ。あるネット専業証券会社のシステム運用担当者は朝からトラブル対応に追われた。 この証券会社は東京証券取引所の株式売買システム「arrowhead」と接続して直接に売買注文を出せる「取引参加者」の1社だ。4系統ある東証との外部接続ポイントのうち1系統で、通信を確立できない接続不良が発生した。 原因は自社システムの不具合か、それともarrowheadの問題か、この時点では判然としなかった。幸い他の3系
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