今年5月1日。宮城県仙台市で全国初の「大人食堂」が開催された。筆者は3回目の6月30日に現場を訪れた。 老若男女、約20人のスタッフがこの日調理したメニューはハヤシライス、サラダ、ヨーグルト。18時半の開場と同時に三々五々、利用者が訪れ、受け付けが終わるとスタッフと一緒に雑談を交わしながらの食事に入った。参加者は30代から50代の8人。それぞれは雑談でうち解けるうちに、やがて自身の抱える労働問題や生活問題の吐露へとかわり、本人が望めば、そのまま別室で専門家(弁護士や労働組合相談員など)の労働相談へと流れていった。 見逃せない大人の貧困 ここでは食事と生活相談、労働相談とをワンストップで受けることができるのだ。 現在、子どもの7人に1人が貧困との背景を受け、数年前に始まったばかりの「子ども食堂」はいまや全国4000か所で展開。その存在は当たり前の地域インフラとして定着している。 だが、子ども