その後、池上のBさんの紹介で、次々にお見合いをした。相手は医師、弁護士、公認会計士など、士業の人をよく紹介された。なかでも圧倒的に医師が多かった。まれに、親の職業を手伝っているとか、特殊な技術者のような人もいた。サラリーマンが皆無だったのは、やはりまだそのころ在日コリアンの男性も一般企業への就職が厳しかったことを物語っているし、手に職がある人、専門職の人が、お見合いにおいて強かったということもあったと思う。 Bさんによると、私が4年制大学卒業であることで、士業の人が多くなったという。商売をやっていたりすると、嫁に高学歴を求めない、とはっきりと言われた。女子大の方が良かったのに、とも言われた。そこまで言い切るお見合いおばさんのBさんに私は終始圧倒された。 Bさんの紹介によるお見合いは、いつも高輪や新高輪、芝のプリンスホテルのティールームだった。成約するとそこで式や披露宴をあげることが薦められ