12日、三越伊勢丹ホールディングスは、2010年3月上旬に伊勢丹吉祥寺店を閉店すると発表した。 ここ数年赤字が続いており、収益の改善は難しいと判断したもので、伊勢丹が都内の店舗を閉鎖するのは、八王子店の閉鎖以来、30年ぶりとのことだ。 今回の閉鎖対象となったのは吉祥寺店だが、注目すべきは新宿本店だと私は思う。 というのは、伊勢丹の新宿本店は、伊勢丹の売り上げの約半分を背負う大黒柱といえる店舗であり、伊勢丹全体の調子の良し悪しは、新宿本店の調子に依存するところが大きいからだ。 そして、ここ数年の伊勢丹の主要店舗別売上高の推移を見ると、今回閉鎖される吉祥寺店よりも、売上高の総額が大きいだけに、新宿本店の方が売上高の下落額は大きい、という事実が分かる。 つまり、問題は吉祥寺店に限ったものではなく、伊勢丹の屋台骨そのものにあると言えるだろう。 伊勢丹などの「百貨店」は、その名の通り「百貨」を売り物