原発事故をきっかけに電力自由化が論議を呼んでいるが、通信自由化も前進するかも知れない。第3次補正予算の財源として、政府の保有しているNTT(日本電信電話)株を売却する話が、民主党内で出ているという。政府はNTT株の33.4%を持っており、きょう現在の時価総額は約1兆8000億円になる。これをすべて売却すれば、苦しい復興財源の助けになるというわけだ。 しかしNTTが政府のコントロールを完全に離れると規制がむずかしくなるので、1株でも拒否権をもつ「黄金株」を政府がもつ案が検討されている。これはイギリスでBT(イギリス通信会社)が民営化されたときと同じ方法だが、イギリス政府は1997年に黄金株も放棄して、BTは完全な民間企業になった。それから14年たって、日本ではようやくNTTを「独り立ち」させる検討が始まったわけだ。 これまで政府は最大の株主であっても、拒否権を行使したことはない。NTTの株式
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