仙台湾沿いの多くの干潟では、津波で生物種がいったん激減するなどした。今回の津波は干潟の生態系にとっては、復旧しないほど大規模なものだったのか、または一時の撹乱(かくらん)に過ぎなかったのか。その後の変化に生態学の関心が寄せられてきた。 また、ある場所の生物群集は、固有の環境が決める場合と、偶然に先にすみ始めた種が優位を占めて決まる場合があると考えられる。前者なら大災害の後も環境が回復すれば元の種も戻るが、後者の場合、いったん環境が激変すると、回復しても次には別の種が増え、元に戻らないこともある。仙台湾の干潟はどうだったのか。