国会への出席回数が多く「世界一、多忙な首脳」とも言われる日本の首相だが、安倍晋三首相は7日、平日の約90分間をむなしく過ごした。派遣労働のあり方を見直す労働者派遣法改正案を審議する同日の衆院厚生労働委員会が、野党の出席拒否で空転したためだ。 塩崎恭久厚生労働相の答弁が改正案の趣旨と異なっているとして野党は反発した。改正案を早期に成立させたかった与党は、最終的に渡辺博道委員長(自民)の職権で委員会を開会、野党は出席を拒否した。 そのため質問時間を割り当てられていた民主や維新、次世代、みんな、共産の野党5党の議員は、審議を行う衆院別館内の第16委員室に現れなかった。その間、首相は所在なさげに足を組み直したり、隣にいた塩崎氏らと会話をするなどして、手持ちぶさたの状態で待機するしかなかった。 これを政界用語では「空回し」と呼ぶ。首相が出席しながら、審議が空回しになるのは、野田佳彦政権だった平成24