(毎日新聞出版・1458円) 九条の削除こそ最善 憲法は泣いている。《護憲派によって、…裏切られているから》。そんな馬鹿な、と思うかもしれない。だが本書を読むなら、なるほどと思うだろう。 著者は法哲学者。集団的自衛権をめぐるここ数年の憲法論議があまり奇妙なので、憤慨している。護憲派も改憲派もだめなのだが、《やっぱり護憲派の罪のほうが重い》と言う。 第九条にはこう書いてある。「戦争と…武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」。第二項は「陸海空軍その他の戦力は…保持しない。…交戦権は…認めない」。文字通り読むなら明らかに、非武装中立を定めている。ゆえに自衛隊も日米安保条約も違憲、としてきたのが「原理主義」の護憲派である。 この記事は有料記事です。 残り1130文字(全文1456文字)