大状況と小状況との関わり、大状況の物語が空疎化し、それを補填するような形で小状況の物語が拡大していること。こうした物語の状況を、前回までは、様々なアニメ作品を通して見てきたわけだが、今回からは、同様の状況を、少し歴史的な観点から眺めてみることにしたい。つまり、80年代のアニメとそれ以降のアニメ(現在のアニメ)との差異という観点である。 アニメ作品を年代ごとに区切ってカテゴライズすることは、何か意味のある行為なのだろうか? 僕は、最終的にはこうした試みは何の妥当性もないと思っているが、便宜的にそうすることには意味があることだと思っている。多様なアニメ作品にひとつの流れを見出すこと、そのような包括的視点を差し出すことは、それによって多くのものが零れ落ちてしまうというリスクはあるものの、われわれがどこに立っているかという立ち位置をはっきりさせるためには、非常に有効な作業だと思うのである。 さて、