昭和時代の自転車を集めて販売している博多チャリンコ倶楽部の小宮繁さん=福岡市博多区 昭和時代、紙芝居屋などが乗っていたレトロな自転車を、福岡市博多区の自転車専門店「博多チャリンコ倶楽部(くらぶ)美野島店」が全国から集めて売っている。小道具として当時を再現する町づくりにも一役買い、映画にも貸し出されて重宝がられているという。 同店があるのは、JR博多駅から南へ1キロの美野島商店街の一角。店内へ入ると、レトロな自転車が所狭しと並んでいた。「面白いでしょう」。店主の小宮繁さん(57)がにやりと笑う。全国の古美術商から仕入れ、在庫数はざっと120台に上るという。 財団法人日本自転車普及協会によると、こうした自転車は「実用車」と呼ばれ、運搬が主目的。大正時代に生産が始まり、昭和30年代に急速に普及した。紙芝居屋や豆腐屋、八百屋などが使ったという。ところが、次第に自動車やオートバイに取って代わら