ブックマーク / honz.jp (190)

  • 『閉じこもるインターネット』は新たなビジネスチャンスかもしれない - HONZ

    著者は1980年生まれのアメリカ人。リベラル系市民団体MoveOn.orgの理事会長だ。オバマの選挙に積極的に関与するなど、政治的な立場ははっきりしている。書も第3者の視点で書かれたノンフィクションというよりも、市民の立場から巨大ネット企業に物申すという内容になっている。しかし、そのことを割り引いても書が指摘するネットの現状は驚くべきものだ。 2009年12月4日、グーグルはユーザーが過去に検索した言葉だけでなく、ログイン場所やブラウザーなど57種類もの「シグナル」を利用して、検索結果を表示するようになった。夫婦が同じ言葉を検索しても、異なるリストが表示されるようになったのだ。より便利になったと言えるかもしれない。しかし、同様の技術を利用して他の企業がネットの裏側で何をしているかを知ると喜んでばかりはいられない。 たとえばDictionary.comで何かの言葉を調べると223個もの追

    『閉じこもるインターネット』は新たなビジネスチャンスかもしれない - HONZ
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/04/17
    フィルタリングの特性を知っていれば、むしろ創造性を発揮できるような検索をすることが可能なのでは。
  • 『ひとり家飲み通い呑み』-楽しいんだな、これが - HONZ

    「居酒屋で、じゃこと大根サラダのじゃこだけを閉店までべたい。ただ、大根はいらないが、チキンハートの俺にはじゃこだけ大盛りでくださいとは言えない」(32歳男性) 「クルトン入れ放題の店で『入れ放題』って書いてあるからといっても控えめな自分がいたりする。クルトン入りのスープでなく、スープがついた大量のクルトンをビールで喰らいたいのに」(32歳男性) 子供じみた思いかもしれない。だが、そんな欲望が時々、32歳の私を襲う。あなただって、程度の差こそあれ、似たような思いをしていないか。宴会で「おい、何で俺の一杯目が勝手に『とりあえずのビール』なんだよ。俺はホッピー派だよ」と思っても、「やっぱビールっすね」と隣の部長にほほえんでいたりしてないか。地元の寿司屋ではトロばかり頼むため、「トロの帝王」と店員にマークされているあなたも会社の後輩と行く寿司屋では「同じネタだけ頼むのはマナー違反だよ」とドヤ顔で

    『ひとり家飲み通い呑み』-楽しいんだな、これが - HONZ
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/04/11
    特筆すべきなのは「つまみ」と酒でなく、単品で「飯」として成立するような一品と酒の組み合わせを追及した点。
  • 『2050年の世界地図』 -北緯45°の時代 - HONZ

    書は、2050年における地球の状態を予測するだ。現在のデータから将来の状態をシミュレーションする、ということで、ドライブにたとえて言うなら、「前方を見る」とか「地図を調べる」ことに相当するだろう。そして、書に書かれているのは「ここから先の道は大いに曲がっています」という内容だった。今までまっすぐだったから、これからもまっすぐだ、という話ではない。「具体的にこんな感じで曲がっていきます」という数字つきだ。たとえ話にしたらよりわかりにくくなったような気がするが、いずれにしても、地球全体の大潮流を予測する情報がまとめられていて、非常に参考になるだ。 2050年までに起こる地球環境の変化により、「ニュー・ノース」と呼ばれる北緯45度以上の地域の人間活動が増え、そこの戦略的価値が上がり、経済的重要性が増すという。国名で言えば、アメリカ・カナダ・アイスランド・グリーンランド(デンマーク)・ノル

    『2050年の世界地図』 -北緯45°の時代 - HONZ
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/04/10
    途上国の消費が先進国並みに追いつくと、世界の消費は現在の11倍になり、1000億人分に相当する需要が発生する。
  • 『IT時代の震災と核被害』  - HONZ

    あれからもう1年たってしまった。日各所で犠牲者に対する鎮魂とともに、政府や東電の責任、原発の再稼働問題、復興の実態などについての議論が延々とつづいている。しかし、その多くの議論は賛否それぞれの立場に分かれ、議論することを目的としてしまっているような印象だ。いまこそそれぞれの現場で何が起こっていたのかをあらためて掘り起し、そこから議論を始めるべきなのである。 日IT部門として、それだけはやっておこうとコンピュータテクノロジー編集部が送り出した書は、みごとにその役割をはたしている。グーグル、ヤフー、ツイッター、アマゾン、Ustream、ニコニコ動画などが災害発生直後にどのように動いたかをまとめているのだ。 書冒頭に登場するグーグルでは地震発生から2時間で「パーソンファインダー」、3時間で「震災特設サイト」を開設し、その後72時間以内に避難所マップや避難所名簿共有サービス、自動車・通行

    『IT時代の震災と核被害』  - HONZ
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/04/08
    報道もITもガラパゴス化した日本を、身を持って伝える一冊。
  • 『クリーニング革命』プロフェッショナル 仕事の流儀好きにオススメ - HONZ

    「遅い、高い、でも上手い」と言われるクリーニング屋が東京・麻布十番の二の橋付近にある。入り口はホテルのようであり、普通のクリーニング屋らしからぬ店構えだ。お店の名前は『レジュイール』、書の著者である古田武 氏が創業したお店であり、別名「服のお医者さん」である。 『レジュイール』でのクリーニングの手の凝り様は半端ない。まずこのお店で預かった服は、点数・素材・ブランド名・シミの有無等がチェックされ(しかも間違いがないよう3重チェック!)、ドライクリーニングか水洗いかに分類され洗い場に移される。ドライクリーニングの場合はもちろん臭いのないフッ素系溶剤を使用する。水洗いの場合はすべて手で押し洗いだ。すすぎは、洗う温度で5分、その後水で30分かけて行う。ここまで手間ひまかけないと白いものを白く仕上げることはできないそうだ。「洗濯機でガラガラ回すだけでは汚れをしっかり落とすことはできない」と言い切っ

    『クリーニング革命』プロフェッショナル 仕事の流儀好きにオススメ - HONZ
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/04/07
    チェックの基準は、洋服屋に置いておいたら売れてしまうくらいの仕上がりかどうか。
  • 『白い死神』ー「ムーミン谷のゴルゴ13」の実像 - HONZ

    1939年に始まったソ連との冬戦争で活躍したフィンランド軍の狙撃手シモ・ヘイヘは、一部ネット上では有名だ。しかし、これまで日では、ヘイへその人をテーマとしたは、これまで一冊も出ていなかった。書は、1998年に60年間にわたって沈黙を続けてきたヘイへのインタビューを成功させた著者によるノンフィクションであり、一部マニアにとっては待望の書と言える。 ここでまず、ネット上にコピペで出回っているヘイへの逸話を見てみよう。 ・わずか32人のフィンランド兵なら大丈夫だろうと4000人のソ連軍を突撃させたら撃退された ・シモヘイヘがいるという林の中に足を踏み入れた1時間後に小隊が全滅した ・攻撃させたのにやけに静かだと探索してみたら赤軍兵の遺体が散らばっていた ・気をつけろと叫んだ兵士が、次の瞬間こめかみに命中して倒れていた ・スコープもない旧式モシンナガン小銃で攻撃、というか距離300m以内なら

    『白い死神』ー「ムーミン谷のゴルゴ13」の実像 - HONZ
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/04/05
    本書を読めば事実がネタ以上であることを知る。
  • 初めて本を書く人にお願いしている事 - HONZ

    ハマザキカクの著者の実に9割以上の方々が、私が編集者として処女作を世に送り出しています。類書、先行書がない前代未聞の究極を作ることに編集者として、最大のやりがいを感じている私は、まだ無名の方がライフワークとして人知れず、陰でひっそりと勤しんでいる珍研究・珍コレクションを探し当てては、それをにしています。 を書く事となるとは思ってもみなかった人にお願いするので、あまりに奇想天外な質問を受ける事もあれば、基礎的な事を一から説明しなければいけない事も少なくありません。そこで今回のハマザキ書クでは、私がを書いた事がない人に最初の打ち合わせで必ずお伝えしている、「やってはいけない事」、「やるべき事」を列挙したいと思います。またこれから新しく出会う著者の皆様にもこの記事を読んで貰えれば話が早いですし、他の出版社の編集者と一緒にデビュー作を書く事となる新人著者の皆様も参考にして頂ければ幸いです。

    初めて本を書く人にお願いしている事 - HONZ
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/04/01
    印税生活は無理。
  • 『東京右半分』 新刊ちょい読み - HONZ

    最近HONZでは、紹介するが3,000円を超えていると「ブルジョア!」の掛け声がかかり、俄然、みんなのチェックが厳しくなる。要は「3,000円超えるなんだから、さぞかし良いなんでしょうねぇ。」というわけだ。 そんな中、書はブルジョア基準比200%を達成する6,000円(税抜き)のお値段だ。ダブル・ブルジョア、略してダ・ブルジョア。厚さ:32ミリ、重さ:900グラム、ページ数:575頁。しかし、その内容の濃さが、スペックを軽く上回るのだから、紹介しない訳にもいかない。 書で紹介されている東京右半分とは、地図で見たときに東京23区の東側に位置する地域だ。すなわち北区、荒川区、文京区、新宿区、足立区、葛飾区、江戸川区、江東区、墨田区、台東区、品川区。そして今、東京のクリエイティブパワーはこの右半分に移動しつつあるのだという。 表紙の美少女からして侮れない。新手のアキバ系美少女かと思

    『東京右半分』 新刊ちょい読み - HONZ
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/03/28
    東京スカイツリーの開業で沸き立つ東京右半分だが、本当に面白いのは、ガイドブックなどには載っていない、こんな場所なのだ。
  • 『理系の子』 2012年No.1の第1候補登場!by 成毛眞 - HONZ

    早くも2012年のNo.1候補が登場した。サイエンス系のノンフィクションなのだが、読んでいる途中なんども目を拭ってしまった。サイエンスで泣けるとは夢にも思わなかった。登場人物は12人の高校生。彼らの純粋さと熱中して研究に打ち込む姿に胸を打たれる。子供扱いすることなく支えつづける周囲の大人たちに共感する。人間の持つ前に進むという力と、善意に感動してしまうのだ。 最初の数ページで膨大な取材のうえに書かれただということがすぐわかる。登場人物の子供のころのエピソードや、家族の事情などもじつに丹念にインタビューしているのだ。文章はスピード感にあふれ、平明に書かれており、中学生でも読めるに仕上がっている。書は、子供を独創あふれる人間に育てたいと思っている親と、少しでも科学に興味のある中高生に読んでほしいと思う。 インテル国際学生サイエンスフェア。毎年アメリカで開催される高校生の科学オリンピックだ

    『理系の子』 2012年No.1の第1候補登場!by 成毛眞 - HONZ
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/03/27
    日本でやっとゆとり教育に幕を引きかけているあいだに、アメリカはこんなシステムを作り上げていた。
  • 迫り来る『「当事者」の時代』への覚悟 - HONZ

    約1年ぶりとなる佐々木 俊尚さんの新刊。事前に御人から書の執筆についてお話を聞かせていただく機会などもあり、非常に楽しみにしていた。新書で468ページはさすがに肩が凝ったのだが、歯をいしばって一気読み。ただし歯をいしばったのは、頁数の問題だけではなかったのだが・・・ これまでの佐々木さんの著書というのは、「今」もしくは「時代の先端」を的確に切り取りながら、進むべき方向を示唆するというものが多かったと思う。つまり「これからの時代がどう変わるかを知りたい!」というニーズに応えるためのものであった。そこには多分にマーケティング的な意味合いも含まれていたのだろう。 しかし書には、その類の要素やソーシャルメディア周りの情報が少ししか登場しない。どちらかというと時代の潮流とは別に、自分自身の内部にある当に書きたいものを書きましたという印象なのだ。 書を読まれるにあたっては、佐々木さんの過

    迫り来る『「当事者」の時代』への覚悟 - HONZ
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/03/22
    著者の肩書きが、「ITジャーナリスト」から「ジャーナリスト・作家」へと変わったのも頷ける一冊。
  • 46億年の奇跡―ド迫力の写真でたどる『地球全史』 - HONZ

    このには力がある。写真家・白尾氏の仕事はすばらしく、大判ページを繰ると世界の露頭が眼前に立ち現れる。そこに広がるのは生(=き)の地球の姿だ。厳然と切り立つ崖に荒々しい岩肌―元来の地球は「自然」すら超越した存在であり、来は「惑星」なのだということに気付かされる。九州大の清川准教授による巻末の解説も充実し、感銘は一層深いものとなる。 微惑星は理論的に導かれた仮想天体で、地球軌道付近での大きさは直径10km程度だったと考えられている。この微惑星の衝突合体により太陽系の惑星たちが誕生した。さらに十数個の火星サイズの天体が巨大衝突を繰り返し、最終的な原始地球が誕生する。 微惑星が原始地球に衝突すると、微惑星の運動エネルギーが熱エネルギーに変換される。原始地球が成長するにつれて微惑星を引き付ける重力が大きくなるので、衝突によって発生する熱エネルギーは増加していく。原始地球が月程度の大きさに成長する

    46億年の奇跡―ド迫力の写真でたどる『地球全史』 - HONZ
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/03/09
    100点以上の図版を駆使し、歴史の偶発性と生命の素晴らしさを謳いあげる。
  • 『原発アウトロー青春白書』新刊ちょい読み - HONZ

    タイトルが何ともすごい。「原発」と「アウトロー」と「青春白書」をつなげてしまったのである。ピーコのファッションチェックなら「あなた、ちょっと」と激怒されそうな組み合わせだが、内容は良い意味で期待を裏切らた。 書は福島県の原発がある街で育ち、震災前から原発で働く3人の若者に焦点を当てている。当事者中の当事者である彼らが原発が日常にある街でどのように育ち、なぜ原発で働くようなり、震災時に何を見て、そして今、何を考えているのかが綴られている。内容は3人の若者の語りを中心に時系列で構成されている。原発関連は多いが、震災前から原発に従事していた現役作業員の声がこれほど前面に出ているは少ないのではないだろうか。 被災者であり原発で働く彼らを賛美する内容かと思う方もいるかもしれないが、著者は彼らを英雄視する気もないし、哀れむ気もない。一定の距離を持って乾いた視線を投げかけることで、彼らの思いをうま

    『原発アウトロー青春白書』新刊ちょい読み - HONZ
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/03/07
    三人は思春期に若干やんちゃな生活を送り、何となく原発で働くようになった――
  • 『世界の陰謀論を読み解く』 新刊ちょい読み - HONZ

    2年前、与党の議員が911陰謀論を公言し、ニューヨーク・タイムズから厳しく批判された。外交感覚が疑われると同時に、なぜそのような公の場で発言するほど、胡散臭い陰謀説を信じてしまうのか?国会議員でなくとも、秘密結社のうわさ話を聞くと、裏取りの探求への道へ誘われ、いつの間にか頭が混乱して、何が真実かわからなくなることがあるはずだ。 書では具体的な3つの事例(ユダヤ・フリーメーソン・イルミナティ)をそれぞれ一章を割き、読み解いていく。組織の実態と語り継がれ信じられている陰謀論のギャップには、唖然とすること間違いなし。陰謀論はインターネットで検索すれば多種多様確認することができるので、ここでは実態を記したい。まずはフリーメイソンは近年、会員の減少と高齢化に悩まされている。アメリカではテレビCMやfacebookで会員の募集を行うほどである。またその起源は中世の石工組合であり、職人の組合だった。彼

    『世界の陰謀論を読み解く』 新刊ちょい読み - HONZ
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/03/05
    大きな災害や事件が起こると、たいがいどこからか陰謀論が湧いて出てきて、いつの間にか蔓延する、その拡散にソーシャルメディアの相性は抜群。
  • お騒がせ国家のたどってきた道 『物語 近現代ギリシャの歴史』 - HONZ

    昨今世界を騒がせているユーロ危機が解決するか否かはPIIGS諸国が無事に財政を再建できるかどうかにかかっている。その結果次第では第二のリーマンショックが勃発するなんてことも十分ありうる話である。しかし! こんな危機的状況にもかかわらず激しい暴動によって国民が頑なに緊縮政策を拒否する国がある、書の主人公? ギリシャである。一時期ギリシャ人の一日に占める労働時間のあまりの少なさが話題になったこともあったし、マイケル・ルイスの新作『ブーメラン』には徴税がまともに機能していないギリシャの驚くべき実態が描かれていた。驚愕すべきこれらの事実は「ギリシャ人=怠け者」という強烈なイメージを私に与えたものである。しかしながら、かつては「古代ギリシャ」という輝かしい歴史を有したギリシャがいったいどういう経緯でこんな怠け者国家になってしまったのか? それが書を手にした理由である。 ところでギリシャという言葉

    お騒がせ国家のたどってきた道 『物語 近現代ギリシャの歴史』 - HONZ
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/03/05
    実はオスマン帝国からギリシャが独立するまで、歴史上にギリシャという国家が存在したことはなかった。
  • 『戦国の食術』 生き残りをかけた粗食 - HONZ

    戦国武将は戦死や自刃などでの早死を除くと、意外にも長生きだったらしい。北条早雲88歳、島津義弘85歳、大久保彦左衛門80歳、徳川家康75歳、伊達正宗70歳など、『戦国の術』には70歳以上で亡くなった60人あまりの武将がリストされている。 人工呼吸や輸液などの延命技術などなかった時代だから、長患いすることもなく、亡くなる直前まで元気であったことだろう。家康などは18人の側室をもち、16人の子をなしている。末子の市姫は家康66歳のときの子である。 著者はその理由について、米を一晩水に漬けておいたこと、旬の野菜を使った汁物、いわしや海藻などのカルシウムの多いものの摂取、茶の湯などにあるとする。 ところで、書の副題は「勝つためのの極意」だ。長命はむしろオマケで「ほうとう」の武田信玄、「仙台味噌」の伊達正宗など万人が知っているエピソードから、武士めしの最終兵器である「兵糧丸」の作り方まで網羅

    『戦国の食術』 生き残りをかけた粗食 - HONZ
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/03/01
    日本のできるビジネスマンたちは生き残りを賭けて、無意識に戦国時代のごとき食生活を取り入れ始めているのかも。
  • あれから1年。『暗い夜、星を数えて 3.11被災鉄道からの脱出』 - HONZ

    あれから1年が経った。3.11、あの日あなたはどこにいましたか?多分、この問いは何度も聞かれただろうし、尋ねもした。私は確定申告の帰り道、道路を歩いているときに激しい揺れに座り込んだ。電柱が撓み、電線が大縄跳びのようにぐるりぐるりと回っていた。 彩瀬まる『暗い夜、星を数えて 3.11被災鉄道からの脱出』は、25歳の新人女性作家が一人旅の途中であの震災に遭遇してしまった体験記である。福島のJR常磐線新地駅で停車中、地震は来た。動かない電車に見切りをつけ、二駅ほど先の相馬に住んでいると言う、偶然となりに座った女性と電車を降りて歩き出す。 新地駅は海から500メートルほど。コンビニで買い物をして外に出ると、町役場から津波警報の放送が流れた。振り向くと遠くで地面がうごめいている。彼女たちは高台へ必死に駆け上る。町が、走ってきた道が水に呑まれる。死ねない、死ねない、彼女は思う。 避難所で一晩を過ごし

    あれから1年。『暗い夜、星を数えて 3.11被災鉄道からの脱出』 - HONZ
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/02/28
    情報が書かれているのではなく、若い女性が出くわしてしまった災難を、どう回避したかが丁寧に記されている。
  • 『住み開き 家から始めるコミュニティ』 新刊ちょい読み - HONZ

    一年くらい前からシェアハウスなどの新感覚な動きには注目していたのだが、書は日全国31の様々な事例が一望できる一冊だ。住居としてのシェアのみならず、自宅を核としてテーマ特化型のサロンの役割を持たせるもの、協働でソリューションを行うものまであるという。これらが、日常編集家なる著者の手によって「住み開き」と命名されている。 日常/非日常の境界線を意図的に編集することによって生まれる、地縁、血縁に続く第三の縁。もちろん昔の長屋の感覚に近いものではあるのだが、決して無理や窮屈を感じている様子はなく、意識的にパプリックを作り出すことで、プライベートの線引きも明確になっている印象だ。 この「住み開き」というものの持つ特性に、突如現れる外来者を招き入れることへの受容性が高いということがあげられる。震災時の帰宅難民の受け入れや疎開先としても、ずいぶん機能していた模様である。 特に興味を持ったのは、東京あ

    『住み開き 家から始めるコミュニティ』 新刊ちょい読み - HONZ
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/01/16
    意識的にパプリックを作り出すことで、プライベートの線引きも明確になっている。
  • 『原発危機と「東大話法」 傍観者の論理・欺瞞の言語』 新刊ちょい読み - HONZ

    世界は、人類が地球環境と調和しつつ平和で豊かな暮らしを続けるための現実的なエネルギー源として、原子力発電の利用拡大を進め始めていました。このような中で、東日大震災および福島第一原子力発電所の事故が起こりました。我が国は、事故終息に向け最大限の力を発揮しなければなりません。 (※東京大学大学院工学系研究科 原子力国際専攻 「震災後の工学は何を目指すのか」の一節より) このような文章が「東大話法」の典型であると、いきなり切り捨てられている。まず、「世界は」と言うことによって責任関係を曖昧にしていること、そして「我が国は・・・しなければなりません」という一文に見られるような、自分たちが「国」を代表しているいう意識。この話法こそ間違いの元凶であるというのが、著者の主張だ。しかも、切り捨てているのが現役の東大教授であるというから面白い。 書では東大話法規則というのが全部で20個紹介されているのだ

    『原発危機と「東大話法」 傍観者の論理・欺瞞の言語』 新刊ちょい読み - HONZ
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/01/11
    世の中に溢れている文書はなぜ分かりづらいのか、なぜ議論は噛み合わないのか、そんなことを考える際の一助になりそうな一冊。
  • これは罪である。『見て見ぬふりをする社会』 - HONZ

    正月早々、2日酔いと体調不良でこの原稿を書いている。ただし、いくら辛くても読書はやめない(しかし代表は「絶ち」を実行しているらしい)。飲む前に読み、飲んでいても読む。飲んだあとも読むのだ。 しかし、酔っ払った後、苦しみながらもなぜ深夜から明け方にかけてこの原稿を書いているのか、今日までに書かねばならぬことも、あれだけ飲めば苦しくなることも、全部わかっていたことなのに……。 実は、今まさに読了した書に、その答が書かれている。私は、二日酔いという当然の帰結を、そして締切を、「見て見ぬふり」していたのだ。 このにおける「見て見ぬふり」という言葉は、われわれがイメージするところのものと少し違う。 例えば、自分のパートナーが自分の子どもを虐待している場合、ほとんど決定的な場面を目撃したとしても、虐待はありえない、と思ってしまう。自分が愛し、なおかつ自身の経済的基盤となっているもっとも頼るべき人

    これは罪である。『見て見ぬふりをする社会』 - HONZ
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/01/04
    大量虐殺や集団暴力は、傍観者がいないと成り立たない。
  • 『なぜ人は走るのか ランニングの人類史』 新刊ちょい読み - HONZ

    年末恒例の”来年こそはシリーズ”の中で買ったものなのだが、年が変わると気も変わるもので、すっかり放り出しそうになっていた一冊。まあ人間には、向き不向きというものがありますからね。 しかし書を少し読み始めると、自分の走る走らないはさておき、十分に楽しめる一冊であるということが分かった。古今東西の「走り」の歴史が一望できる、壮大な文化人類史となっている。 なぜ人は走るのか?その目的としては、古代のインカ帝国、中央ヨーロッパ、中国やインドなどに見られる伝令システムとしての役割や、古代ギリシャ、ローマなどに見られる競技としての役割などが挙げられている。 しかし最も興味深いのは、古代の時点で既に、現代と同じように自分自身の鍛錬を目的として走る人達が存在していたということである。ローマ帝国ストア派哲学者セネカはランニングを哲学の発想の源に置いていたというし、日の霊峰、比叡山にも俗に“マラソン僧侶“

    『なぜ人は走るのか ランニングの人類史』 新刊ちょい読み - HONZ
    SasakiTakahiro
    SasakiTakahiro 2012/01/03
    古代の時点で既に、現代と同じように自分自身の鍛錬を目的として走る人達が存在していた。